文在寅は反日? 親日? 無関心?…実に曖昧な対日外交

国際 韓国・北朝鮮

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公式の場での日本批判は極めて少ないという事実

 文在寅政権発足から3年、日本と韓国の関係は悪化の一途を辿っている。もっとも、文大統領は反日なのだろうか。実は親日? あるいは無関心? これまでの発言や振る舞いを分析すると、実に曖昧な対日外交姿勢が見えてきた。

 就任前の2017年4月、大統領候補だった文在寅は、慰安婦合意の再交渉を公約に掲げ、合意に基づいて日本政府が拠出した10億円を返還すると息巻いた。2018年3月1日、統治時代の抗日独立運動に因んだ三一節の式典をソウル西大門刑務所歴史館で行い、慰安婦問題と竹島問題に関連して、加害者が帝国主義の侵略に対する反省を拒否していると日本を強く批判した。公式の場で文在寅が日本を批判したのは、この時くらいしかない。

 就任直後の17年8月15日、光復節の式典に李容洙(イ・ヨンス)さんら元慰安婦を招いたが、演説は南北関係が中心で、日本との関係に言及しても、それは交流拡大を期待するものだった。翌18年の光復節にも、北朝鮮との関係改善に関して日本政府の協力を呼びかける演説を行っている。

 18年10月、最高裁に相当する韓国大法院が日本企業に賠償金の支払いを命じる判決を下し、日本政府が抗議すると、文政府は司法の独立を掲げて判決に関与しない立場を唱えた。

 19年7月に日本政府が韓国向け輸出管理強化を発表し、韓国政府の高官は首相を筆頭に日本を批判した。WTOへの提訴やGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄を叫んだが、大統領自身は光復節の演説で日本政府に対話を求めた。日本を批判しないどころか、むしろ良好な関係を求める演説だった。

 政府高官には反日発言をさせながら、自身は友好を示唆する発言を繰り返す。一体、舌が何枚あるのかと問いたくなる。

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