BTSを年末に待ち受ける兵役、国会でも話題になった彼らへの兵役特典

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同じアーティストでも大衆歌手は×、純粋芸術は○の不公平

 国会でも話題になり、「BTSのように大衆文化芸術家が国威宣揚に大きく貢献した場合、兵役特典を与えるべきだ」という主張が相次いだ。未来統合党のハ・テギョン議員(当選4回)は昨年、「兵役特例対象から大衆歌手は除きながら声楽とパンソリをそのまま維持したのは、公平性の価値に真っ向から反対する」とし、「大衆歌手を排除するなら声楽とパンソリも除かなければならない」と訴えた。

 しかし、最終的には大衆歌手の除外が決まったのだった。

 この決定に対し、韓国政府関係者は「大衆文化の部分を兵役特例の範疇に含めると、他分野との公平性の問題が生じる恐れがある」と説明しているのだが、何を言っているのかよくわからない。オリンピック出場者や”純粋芸術”に従事する者が大会で受賞すれば兵役特例を受けるが、世界のてっぺんを獲った同じアーティストの7人には兵役が待っていると言って、なるほどと頷く人はそんなに多くないのではないだろうか。

 現代経済研究院が2018年に出した報告書「BTSの経済的効果」によると、BTSが作り出す経済効果は年間5兆6000億ウォン程度になると予想されている。所属会社のビッグヒットエンターテインメントの総売上に対し、BTSの売上が占める割合は90%(19年で5879億ウォン)以上だという。兵役は、BTSに過度に依存してきたビッグヒットの懐事情に少なからず影響を与えることだろう。

 前述した通り、BTSはできる限り同時期に入隊し、グループ全体の活動停止期間を最小限に止める算段だという。「メンバーたちが個別活動よりグループ活動に大きな愛着を持っており、チームの空白を最小限に抑えようという意見で一致している」と、さる芸能関係者は明かしている。

 空白が長引くかもしれないという懸念に対し、専門家の一部は、ソロ活動、または残りのメンバー同士でユニットを結成して活動する案も考えられると言っている。大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏はメディアのインタビューで、「軍服務でメンバーの空白が生じても、グループ内のユニット活動、プロジェクトグループ、ソロとして活動し、大人気を集めたアイドルの前例が多い」と語った。

 シュガは今年5月、「Agust D」という活動名で“ミックステープ”を披露し、大衆性と音楽性の両方で高く評価された。タイトル曲「大吹打」のミュージックビデオのYouTube再生数は7月5日に1億ビューを超えた。また、韓国のソロ歌手としては初めて米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」とシングルチャート「ホット100」に同時ランクインも。シュガの他にRMとジェイホープもミックステープでソロアルバムを発表している。2016年、KBS第2テレビ『花郎』で演技に挑戦したヴィも俳優活動を並行するとみられる。

 7人全員が揃う時間はあまり残されておらず、“その日”が来ることは避けられない。そして、複数のメンバーが欠ける日が続く可能性が高い。アーミーにとってこれほど悲劇的なことはないが、各メンバーは与えられた場所で研鑽を続けるということなのだろう。再び全員集合できる日に備えて……。

週刊新潮WEB取材班

2020年7月16日掲載

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