「太田雄貴」会長就任で強化費が消えた! メダリスト「続けられない…」

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 都心を自転車で颯爽と駆け抜けるウーバーイーツの配達員は、五輪のメダリストだった。コロナ禍の影響はアスリートたちの生活をも脅かしている――。

 そう各メディアがこぞって報じて巷の同情を集めたのが、2012年ロンドン五輪のフェンシング男子フルーレ団体の銀メダリスト、三宅諒選手(29)である。

 元々3社のスポンサーから支援を受けていた彼は、東京五輪の開催が危ぶまれた段階で、“期待に応えられない”と契約の更新を自ら保留。遠征費などを自分で稼ぐ必要に迫られて、配達員を始めることにしたという。

 先ごろ、本誌(「週刊新潮」)の取材に三宅本人もこう語っていた。

「週に3~4日、始めた頃は1日5~6時間働けていたのですが、今はかなり暑くなってきたので、1日に3~4時間くらいです。当初は8件ほど回って5千円くらいでしたが、今はその半分程度。年間の競技費用は300万円ほどかかりますから、ウーバーではとても無理ですよね。だからまずはウーバーを卒業することが目標です」(5月28日号)

 そんな彼は、自らの困窮ぶりをSNS上でも明かして、話題を振りまいた。

〈これは高い。しばらく払い続けてるけど、これは気合入れないと続けられないな。〉

 と呟いた上で、1通の「請求書」の写真を公開した。

 差出人は〈公益社団法人日本フェンシング協会 会長 太田雄貴〉とあり、金額は事前の入金分と合わせて計67万323円。内訳をみれば、イタリアやフランス、エジプトで行われた国際大会などの遠征費用であることが分かる。この類の請求がほぼ毎月あると彼が呟けば、ネット民たちからは“フェンシング選手は、メダリストでも海外遠征は自腹なのか”などと驚く声が上がったのだ。

「三宅選手の苦境は、決してコロナのせいだけではありません。彼のようなメダリストをはじめとして、フェンシング協会に所属する選手たちは、遠征費用を全額負担させられているのです」

 と明かすのは、さるフェンシング協会の関係者だ。

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