今年に入って「タピオカ」輸入量が激減……コロナ禍でブーム終焉が加速

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 緊急事態宣言が解除され、徐々に気温も上がれば、冷たいタピオカミルクティー恋しくなってくる。ところが、ここにもあそこにもあったはずのタピオカ屋が消え始めた。昨年一気に盛り上がったタピオカブームは終わったのか?

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 まずは、ブームを牽引した東京・原宿の商店会に聞いてみた。

「お店の数は変わっていないと思いますよ。外出自粛の影響でお客さんはいなかったけど……」(原宿竹下通り商店会)

「数店舗、減りましたね。コロナの影響なのか、ブームが去ったのか、その辺りはよくわかりませんが、お店が増えすぎて淘汰されたという話もあります。確かに、以前と比べるとタピオカブームは若干下火になったような気もするけれど、また夏に新商品が出れば、状況は変わるような気も……」(原宿表参道欅会)

 これでは、ブームが終わったかどうかは判然としない。

「少し前まではタピオカ屋だったのに、マスク屋に変わっていたりしますからねえ」

 と話すのは、東京商工リサーチ情報部の原田三寛部長だ。

「タピオカブームはすでに終わったと考えています。それは、タピオカとタピオカ代用物の輸入量が激減していることからも明かです」

 財務省は月毎に貿易統計をまとめているのだが、18年1月から今年4月までの輸入量をグラフにすると以下のようになる。

 18年の輸入量は、概ね150トンから420トンで推移しており、年間の輸入量は2928トン。これでも前年よりも900トン近く増えているのだが、19年はさらに増加した。4月だけで1万1157トンに達し、1月~6月までの半年で、前年を上回る4471トンに。8月は2万6000トンとなり、月間最高を記録。年間輸入量は1万6774トンになった。ところが、今年に入ると、1月:880トン、2月:381トン、3月561トン、4月:806トンと輸入量の桁が減っている。温かくなって、やや輸入量が上がり始めてはいるものの、昨年4月の1万1157トンとは比べようもない。

副業の経営者が多い

「昨年3月末時点で、タピオカ店を営む企業は32社でしたが、8月末時点では60社に増えました。ただし、我々のその時点の調査で、“ブームは去りつつある”という声が聞かれていました。コロナ禍によりあらゆる飲食業がダメージを受けています。タピオカ店は昨年、一気に出店が増えたせいもあり、コロナ禍の影響で閉店すると一気に減った印象を受けるのかもしれません」(前出・原田氏)

 タピオカ店を畳んだ企業はその後、どうなっているのだろうか。

「タピオカ店を経営している企業の本業は、クレープ屋や肉バル、売電事業、助成金コンサルタントなど様々で、タピオカだけのために起業したという会社は聞きません。お店を閉じたからといって、元々が転業ですからあまり影響はない。会社が倒産するということは少ないと見ています」(同)

 タピオカブームはこれが3度目といわれる。第一次ブームはバブル崩壊後の92年頃、第二次ブームはリーマン・ショック後の08年頃だ。それらと比べ、タピオカ輸入量から見て、今回のブームは過去最大だったはずだ。それでも定着しないのはなぜだろうか。とあるフードライターは言う。

「実質、原価は数十円と言われるドリンクですし、テイクアウト専門も多く、店舗にもお金はかからない。気軽に始められる副業と考えている面もあります。ですから、ブームが下火になれば、すぐにお店を畳んでしまう。一方で、流行っているから、インスタ映えするからと買っていた人にとっては、もうおしゃれじゃないからと飽きられてしまったということでしょう。タピオカに限らず、こうしたブームのサイクルはどんどん短くなるばかりです」

 コロナ禍の影響で、タピオカブームの終焉がさらに加速したようだ。

週刊新潮WEB取材班

2020年6月8日掲載