「巨人・坂本」コロナ禍にインフル2つ感染、2000本も絶望的なツイてない2020年

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夜の繁華街からは遠ざかり

 緊急事態宣言も解除になり、6月19日金曜日にプロ野球ペナントレース開幕が決定しました。無観客試合ではありますが、プロ野球ファンの私と致しましては待ちに待った開幕であります。そして贔屓の読売巨人軍の連覇なるかと胸を躍らせて、6月2日の練習試合をテレビにて鑑賞しまして、(皆さん、順調な仕上がりだな)などと胸を撫で下ろしていたところ、大変なニュースが飛び込んで来たわけです。

「坂本勇人・大城卓三両選手、新型コロナウイルス陽性反応」

(開幕まで2週間のこのタイミングでまさか……)と、目を疑うニュースでしたが、本人たちや関係者が一番肩を落として悔しがっていることを思うと気の毒でなりません。

 特に坂本選手は、野球に対して本当に真摯に向き合い取り組んできただけに相当なショックだと思います。「天才的な技術と勘はあるけどヤンチャ坊主」――。私が見聞する坂本評でしたが、6年前のシーズン終了後に阿部慎之助捕手からキャプテンを引き継ぐと、冒頭に触れたような夜の繁華街へ出かける頻度も減り(複数のホステス談)、野球技術向上のみならず、チームのまとめ役として先輩後輩にかかわらず絶対的な信頼と支持を受けて充実した選手生活を送っていました。

 そして、昨年はキャプテン就任から初めての優勝を経験し、キャリアハイとなるホームラン数を放ち、MVPにも輝き、いよいよ今年は史上最年少2000本安打達成かとまさに野球選手としてのピークを迎えるべく年だったはず。しかし、この2020年は彼にとって幸先の良い始まりではありませんでした。

 自主トレ中、2つのタイプのインフルエンザに罹患して、万全の状態でキャンプインが出来ずに2軍スタート(これは他の主力もそうだったのでマイナスとは言いきれませんが)。徐々に調子を上げて「3月20日開幕」にはしっかりと合わせてきたのですが、その数週間前からコロナ禍の影響を受けて開幕も二転三転、恐らく出場予定だったオリンピックの延期も決まってしまいました。ショックを受けなかったはずはないでしょうが、読売巨人軍の公式YouTubeなどを拝見していましても、率先して明るく声を出し、守備練習をしている姿を見せて視聴ファンにサービスをしたりと、気持ちを切ることなく躍動する姿を見せてくれていました。

 そしてようやく対外試合の再開、いざ本番に向けて再始動と思った矢先に「コロナ微陽性」となってしまいました。幸い感染から回復した後かなりの時間が経っているという話ですし、4日にはPCR「陰性」の判定が下りましたから復帰までにそう時間はかからないと思われます。とはいえ、インフルやコロナ禍に振り回される2020年を呪ったり肩を落としたりしている姿は容易に想像がつきます。

 そうは言っても、周りの若手選手はキャプテン不在で道に迷うことなく、むしろショートのポジションに空きができたのだから奪ってやろう! くらいの気持ちを持って頂きたく思います。かねて坂本選手は「今の若手は大人し過ぎる、もっと向上したかったら先輩に話を聞きにくればいいのになあ」と現状を嘆いていました。

 ここで自分を脅かす存在が出て来てくれたら、キャプテン坂本勇人としてはきっとそう考えているでしょう。プロ野球のみならず世代交代は常につきまといます。若手選手の奮起を期待したいですね。

徳光正行
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し、『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』、岩井志麻子氏との共著に『凶鳴怪談』がある。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年6月4日掲載

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