【コロナ禍】宣言解除後の生活は デンマーク、スイスの先行国に学ぶ

国内 社会 週刊新潮 2020年5月28日号掲載

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 ようやく緊急事態宣言が全面解除された日本。一足先にロックダウン解除に踏み切った欧州の一部の国の事例には、我々が学ぶべきヒントが隠されている。

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 まずは、3月に行ったロックダウンを4月以降、段階的に解除してきたデンマークの例から。4月15日から保育園、幼稚園が再開、小学校5年生までの通学も始まった。5月11日からは小売業が全面再開、18日以降はレストランやカフェも営業オーケーとなり、小学校6年生以上の通学も再開された。

「ただし、再開しても今まで通りに戻るのではなく、かなり気を使っています」

 と、デンマーク在住のライター、針貝有佳さん。

「再開当初は学校でもクラスをグループに分けて、そのグループの子供以外と遊んだり勉強してはいけないことになっていました。机と机の間隔もとる。あと、屋内にこもるのは危ない、ということで頻繁に遠足に行っています。うちの娘は小学1年生なのですが、週に2回は遠足に行っています」

 同国では、1人の感染者が平均何人にうつすかを表す実効再生産数が1を切ったところで段階的ロックダウン解除が可能と判断されたが、5月半ばの時点での数字は0・7。今のところ順調なようだ。

「未だにハグ」

 同時期にロックダウン解除を始めたオーストリアの現状はどうか。

「オーストリアでは症状のある人専用のホットラインがあり、そこに相談すると医者が家まで来て、必要と判断したら検査をしてくれます」

 と、ウィーン在住のジャーナリスト、長谷川良氏。

「あと、ヨーロッパの他の国と違うのは、マスク着用を義務化したこと。していないのが見つかると25ユーロ(約2900円)の罰金を取られます。10人以上の集会もダメで、罰金はなんと1450ユーロ(約17万円)です」

 オーストリアの隣国スイスでは、5月11日から幼稚園や小学校などが再開。

 現地在住のヘスみどりさんが言う。

「私は小学生と幼稚園児の自分の子供にコロナは怖い病気だと教えていますが、子供はかからない、と教わっている子は挨拶で未だにハグをしてくるらしい。子供は“いやって言えなかった”と話していましたが、“突き放しなさい”とは言えないですからね……」

 マスクの着用も全く浸透していないようで、

「11日以降かなり街中に人が出てきましたがマスクはほとんどしていません」

 と、スイス在住のジャーナリストの岩澤里美さん。

「また、店では1テーブルに座れるのは4人まで、というルールがあり、店側は椅子を四つだけにしたり、2メートルごとにテーブルを離したりしています。が、バーなどはお客さんが構わず来てしまうので、なし崩し的に、という感じで屋外席にもかなりの人が密集していました」

 各国の事情に学びながら、我々もウイルスと共存する生活に足を踏み出さなければならない。

特集「『コロナ』虚飾の王冠」より