安倍総理に経済を回復させられるのか コロナ不況で“失われた30年”の再来が…

国内 社会 週刊新潮 2020年5月28日号掲載

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「新しい生活様式」で新たに「失われる30年」

 百歩譲ってマスクの配布で多少なりともウイルスの感染拡大は防げたかもしれない。だが、国民の間に蔓延する“不安”が払拭できたかといえば、答えは“否”だろう。明日の暮らしすらままならない人々に対して詭弁を弄する「総理」に、経済の立て直しを任せられるのか。

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「在庫もずいぶん出てまいりましたし、価格も下がったという成果はあったのかなぁ、と思います」

 安倍総理は6日、ニコニコ生放送というネット番組でこう語った。後手に回り続ける政府の対応に批判が集中するなか、数少ない成果として“アベノマスク”を自賛したワケだが、

「諸外国が軒並み現金給付を決定しているのに、日本で給付されるのは“布マスク2枚”だけという時期もあった。政府の対応はスピード感に欠けます」

 ニッセイ基礎研究所のシニアエコノミスト・上野剛志氏は危機感を露にする。

「私たちエコノミストの間では、“現時点でリーマンショックやバブル崩壊を超えている”という認識。世界全体では1930年の世界恐慌以来の不景気になるのではないかとも囁かれています。リーマンショックは海外発の不景気で、国内企業では輸出業を手掛ける大企業がまず影響を受けました。しかし、今回は、“自粛”という形で半強制的に経済がストップしたため、サービス業や小売業をはじめとする中小企業が、急激かつダイレクトな打撃を被っているのです」

 リーマンショックでは金融システムが機能不全に陥ったが、コロナ不況は経済を動かす“人の動き”そのものが止まった状態。感染拡大を防ぎつつ、困窮する人々の生活を守り、さらに命の経済を復活させる――。

 この難局で問われるのは安倍政権の施策能力に他ならない。

 だが、経済ジャーナリスト・荻原博子氏の指摘は手厳しい。

「安倍政権の経済対策に対する評価は100点満点中の20点です。一生懸命やる姿勢は見えますが、とにかくお金の使い方が間違っている。マスクを配布するのに466億円かける一方で、1次補正予算では人工呼吸器の確保に265億円、ワクチンや治療薬の開発促進に275億円しか割かれていない。観光需要促進策である“GoToキャンペーン”に1兆7千億円も予算をつけるくらいなら、1次補正で8330億円だった雇用調整助成金を大幅に拡充すべきです」

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