米カジノ最大手の“日本撤退”報道 安倍政権への揺さぶり?

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 米カジノ最大手の「ラスベガス・サンズ」が、日本進出を断念する――。

 今月13日、米ブルームバーグが放ったスクープに、日本の関係者は泡を食った。

 政治部記者によれば、

「2018年の通常国会で成立したIR整備法によって、日本でも大阪や東京近郊でカジノが開業されることになりました。そして、大阪は米MGMリゾーツ・インターナショナルが、東京近郊はサンズが、それぞれ参入するというのが既定路線になっていた」

 そこに水を差すサンズ撤退情報。目下のコロナ禍による業績悪化が表向きの理由だという。

「サンズも上場企業。業績が悪化するなか、手続きが遅々として進まない日本のカジノ市場に拘泥するのはリスクが高いと判断したというわけです。これから新しい事業者を選定するとなれば、さらなる遅れが生じるのは間違いありません」

 ところが、表があれば裏もあるのが、世の理。

「サンズには本気で撤退する気なんてないでしょう」

 とは事情通である。

「安倍総理がトランプ米大統領からの猛烈な売り込みを受け、東京近郊のカジノはサンズありきで進められてきました。サンズのシェルドン・アデルソン会長はトランプ氏最大の支援者でもありますからね」

 サンズの参入は、安倍総理からトランプ大統領へのいわば贈り物。それゆえ、

「日本政府の足元を見て、揺さぶりをかけているというのが、撤退表明の裏の見方です。日本のカジノは面積の規制や契約期間の短さなど厳しい制約がある。さらに、東京近郊の候補地である横浜では反対運動もあり、住民対策には費用もかかる。彼らは、トランプ氏の威光を笠に、日本からさらなる規制緩和を引き出そうとしているのです」

 サンズによって投げられたコイン。ベットすべきは表か裏か――。

週刊新潮 2020年5月28日号掲載

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