賭けマージャンを国会で質問「江本孟紀氏」が振り返る後藤田法相の珍回答

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幻の“3万円くらいまでだったら許される”

 再び、江本氏はこう話す。

「あぁそんなやり取りでしたか。確か後藤田さんが、“まあ3万円くらいまでだったら許される”みたいなことをウッカリ言ったと記憶しているんですがね。それで委員会の場もザワついて、後藤田さんは答弁を訂正したんじゃなかったでしたっけ?」

 当時の新聞記事を拾ってみると、

《たった六分間の持ち時間だったが、沈滞ムードの予算審議に笑いをまいた》

とし、こう続く。

《苦笑いしながら答弁に立った後藤田正晴法相は「江本さんはどれだけかけてるの?」とけん制球を投げた後で「こういう所で答えるのはやさしいようで難しい。刑法一八五条はただし書きで娯楽の程度ならいいといっている。社交辞令の範囲内ならとばくにならないということ。これ以上は言えません」》

 どうやら江本氏の記憶違いだったようだ。警察官長官などを務めた官僚時代はカミソリの異名を取った後藤田氏も法相の頃は、その鋭さは鳴りを潜めたなどとも言われていたが……。

「なるほど、そうでしたか……。オレの父親が警察官で、その縁で後藤田さんとは以前から知り合いで、その仲間意識で質問させて頂いたように思います。質問でどれくらい賭けてるかについて聞かれて、“10年前からやめている”と答えているようですが、元々オレはほとんどやってないんですよね」

 あれから27年。東京高検検事長を辞職した黒川弘務氏の賭けマージャン問題を受け、法務省の川原隆司刑事局長は5月22日の衆院法務委員会で、山尾志桜里氏の答弁に立ち、「賭けレートは『点ピン』と呼ばれる1000点100円だった」と明らかにした。

「オレが質問した頃は牧歌的な時代だったんですよね……」(江本氏)

週刊新潮WEB取材班

2020年5月23日掲載

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