民事再生「レナウン」と「大塚家具」の数奇な縁、中国企業との資本提携で明暗も……

ビジネス 企業・業界 2020年5月22日掲載

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 ♪ワンサカ ワンサ♪で知られる、アパレル大手のレナウンが破綻した。コロナ・ショックによる上場企業初の倒産と報じられている。もっとも、「とどめを刺したのは新型コロナだが、中国企業との資本提携がそもそもの失敗」との声も根強い。そこで思い出されるのが、大塚家具だ。奇しくも同じビル内に本社を構える両社、「中国との提携が、明暗を分けた」との声があるが――。
 
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 帝国データバンクのリリースには、《レナウンは、5月15日に東京地裁へ民事再生法を申し立てられ、同日、再生手続き開始決定を受けた。》と書かれている。一般人には少々分かりにくい表現だ。信用調査会社の関係者は言う。

「レナウン子会社が民事再生を申し立てたため、“申し立てられた”と表現したんです。会社の資金繰りが悪化し事業が立ちいかなくなった場合、破産か民事再生が選択されるわけですが、破産の目的は会社を消滅させることにあるのに対し、民事再生は会社を残すことにあります。今後どうやって売上を上げつつ債権者に分配していくかという、ある意味、主体性が重要になるわけです。にもかかわらず、今回はレナウンが申し立てたのではなく子会社から“申し立てられ”たという、非常に珍しいパターン。私も初めて見る表現でした」

 なぜ、自ら申し立てなかったのだろう。

「2010年、レナウンは経営悪化から、第三者割当による新株発行で中国の繊維大手・山東如意科技集団が筆頭株主となり、その後傘下に入って再建を進めてきました。ところが昨年、山東如意の子会社から53億円もの売掛金が回収できないという事態が発生します。関係会社から回収できないこと自体が異常事態ですが、親会社との関係も悪化している中、2期連続の赤字を計上し、今年に入ってコロナ禍によりさらに売上は減少、負債総額は138億円にまで膨らんだ。ところがレナウンには親会社から派遣された取締役がいるために、レナウン自体の意志で民事再生を申し立てることができなったようです」(同)

 レナウンと言えば、60年代には、♪ワンサカ ワンサのCMソングのヒットと共に、レディースアパレルメーカーとして人気に。70年代には、傘のワンポイントマーク“アーノルドパーマー”ブランドや、紳士服の“ダーバン”ブランドにはアラン・ドロンをCMに起用して売上を伸ばし、81年度の全社売上高は2023億円にも達した。それがなぜ、中国企業の傘下になったのだろうか。

「バブル崩壊後、主要販路である百貨店の売り上げが落ちる一方で、ユニクロなどファストファッションが伸び、さらにネット通販も広まった。そんな中、レナウンに経営を立て直すことができなかった責任もあります。そして手を差し伸べてくれる相手を選んでいるうちに、最終的に中国企業しか残らなかったんです。なんだか、最近も似たような話がありましたけど……そういえば、同じビルに入っています」(同)

 レナウン本社は、江東区有明の東京ファッションタウンビル(TFTビル)東棟の6階にある。そのすぐ下に入っているのが、大塚家具の有明ショールームと本社である。

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