『アラサーちゃん』作家「峰なゆか」が語るコロナ下での出産

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 新型コロナウイルスが人々の命を奪うさなかにも、次々と新たな命が誕生している。元AV女優にして人気漫画『アラサーちゃん』の作者、峰なゆかさん(35)が4月初旬に産んだ待望の第1子もそのひとり。

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 普通の産科医院で出産する予定だったんですが、妊娠糖尿病というのになってしまい、総合病院に転院することになったんです。それが2月頃に決まったとき、お医者さまに“妊娠糖尿病より総合病院でコロナが伝染(うつ)る方が怖いよね”って言われちゃって。だから、通院がとても嫌でしたね。

〈と語る峰さん。月1回行われる母親学級も厳重警戒状態だった。〉

 入室前に検温して、手をアルコール消毒して、マスクがない人には配って、席の間隔は3メートルくらいあって……でも、3月以降はもう母親学級自体が中止になってましたね。私、無痛分娩だったんですけど、出産の流れがまったく分からないまま、入院することになりました。

〈入院に際しても予期せぬ事態が出来した。〉

 入院当日の朝に“お見舞いは全て中止になりました”と言われて。夫に立ち会ってもらう予定で、夫用の簡易ベッドも手配していたんですが。なので、出産直前もその後も夫には会えませんでした。

〈持ち込みなども一切禁止されたため、産後も苦労が絶えなかった。〉

 洗ったパジャマや買った産褥ショーツを夫に届けてもらう予定だったんです。ショーツは売店で買えたんですけど、パジャマは売ってなくて。汗やら母乳やら血やらで汚かったですね、私のパジャマは。

 飲み物とかも夫に差し入れてもらうつもりが、自分で売店に行って買うはめに。産後にこれが重労働なんですよ。しかも、売店ではゴホゴホしてる人もいるし、エレベーターも怖いし。これから出産する人は食料と飲み物を大量に持ち込んでおいた方がいいですよ。

1カ月健診はゴミ袋に

〈退院後の様子はどうか。〉

 絶対に赤ちゃんに感染させないように気を付けてます。外出は、夫がスーパーに買い出しに行くだけで、それすら帰宅したら玄関で服を全部脱いでゴミ袋に入れて、靴とか携帯を消毒して、お風呂に直行して、その間私と赤ちゃんは別の部屋で待機して、みたいな。

 これから1カ月健診とか予防接種とかで病院に連れて行かなきゃいけないんですけど、それも怖い。いっそゴミ袋に入れていこうかと。でも、空気穴を開けるにしてもそこからウイルスが入ると思うと……。

〈峰さんのご両親には初孫だったが、いまだに対面はかなわない。〉

 両親は地方に住んでいて、赤ちゃんに伝染すのも怖いし、自分たちも伝染るのが怖いからと。私も、コロナが落ち着くまで誰にも赤ちゃんを会わせるつもりはないんですけど。でもコロナが落ち着くなんて何年後なのかな。うちの子が初めて外に出るのって何歳の時なのかな……。

〈ステイホームベイビー、君に幸あれ。〉

週刊新潮 2020年5月7・14日号掲載

ワイド特集「コロナの陰に『オンナの事件』」より

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