「皇位継承議論」先送りも… ついに動き出した「旧皇族男子」復帰の隠密シナリオ

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街なかの貸会議室で

 この関係者が明かすには、

「内閣官房の内閣総務官室に設置されている『皇室典範改正準備室』の担当者が2人一組になって、2月の下旬以降、専門家の方に意見を聞きに出向いています」

 担当者らはこれまで、膨大な資料の読み込みに時間をとられ、聞き取り開始が遅れたという。

「旧宮家の男子の復帰については、もちろん皆さんに尋ねています。それも愛子さまなど内親王と結婚する案や宮家の養子とする案、さらにはまず皇籍を与える案などさまざまです。そして、それ以外にも世論調査で賛成が軒並み高い女性・女系天皇について、また将来のご公務の担い手減少を見越した女性宮家構想についても、ご意見を伺っています」(同)

 とはいえ、これらはあくまで非公式の聴取。担当者にはさまざまな“制約”が設けられているという。

「目下、専門家への意見聴取の名目は『事務方の勉強のため』となっている。正式な動きと捉えられないよう、菅長官からも担当部署に『くれぐれも目立たないように』『資料も(長官に)提出しなくていい』と言い渡されている。一旦資料が作成されると、のちのち情報公開の対象になりかねない。いつどこで誰とどんな話をしたのか、現時点では公式に記録を残さないようにしています」(同)

 それゆえ、

「専門家の先生方とお会いする時も、役所にお招きするわけにはいきません。大体、お会いする1週間ほど前にアポイントを入れ、勤務先の大学や街なかの貸会議室といった場所を選び、先方には交通費を自腹でお越し願うケースもある。お一人あたり大体1時間程度で、すでに10人ほどお目にかかっています。今後の正式なヒアリングに備え、皆さんに『またお願いするかもしれません』と、お声掛けもしています」(同)

 そこで、そうした“隠密聴取”を受けたと目される専門家に尋ねてみると、

「今回、意見を聞かれたかどうかは言えませんが……」

 とは、12年に野田政権が行った皇室制度に関するヒアリングを始め、4年前の生前退位に関する有識者会議でも意見を述べた慶応大の笠原英彦教授である。

「旧宮家の復帰は選択肢として尊重すべきだと思いますが、言われているように現在の天皇家との繋がりは600年以上離れている。憲法2条には『皇位は、世襲のもので』とあり、いかに過去に傍系継承の例があったとしても、そこまで遡らないと系図上で繋がらない人々を、男系男子だからという理由で皇位継承の枠内と考えるのは、いささか現実的ではないと思います」

 また、名古屋大学大学院の河西秀哉准教授も、

「聴取の有無については話せません。ですが、旧宮家の復帰案は1代限りならまだしも、再び男の子が生まれない状況となれば、いまと同じになってしまいます」

 と言うのだが──。

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