「国連事務総長」の訴え空しく「新型コロナ」が悪化させる「国際紛争」 「平和構築」最前線を考える(16)

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「新型コロナウイルス」危機に際して、3月23日、アントニオ・グテレス国連事務総長は、世界の紛争当事者に、停戦を求める訴えをした。

 国籍や宗教の違いにかかわらず、ウイルスは人間に襲い掛かる。医療施設・従事者が貧弱になっている紛争地を、新型コロナの猛威が席巻したら、大変なことになる――そう述べたグテレス事務総長の訴えは、われわれには至極もっともだと響く。新型コロナ危機が全世界に広がる中、誰にとっても戦争どころではないような気もする。

 他方で、今こうした訴えに納得するような者たちであれば、そもそも戦争をしているだろうか、という思いもする。...

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