最上もが「こんな時期にぼくがヴァイオリンを始めた理由」――「あの人の#おうち時間」(2)

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 新型コロナによる「おこもり」は不自由だけれども、自由な時間は山ほどある!ということで、人生に突如として現れた「おうち時間」の過ごし方を紹介してもらうこの企画。第2回はタレントの最上もがさん。さて、いかがお過ごしですか?

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「おうち時間」

 そう言われて思い浮かぶ、快適な過ごし方というのはどういうものだろう?

 ぼくは元々インドア派で社交性もなく、家では自炊、休みの日は一人で過ごすことが圧倒的に多い。ゲームをする、漫画を読む、アニメを観る、映画を観る、自分の趣味はほとんど家で完結してしまうから、外出自粛と言われたときに、さほど苦悩はなかった。

 しかし、暇である。

 常に何か仕事をしながら、休みの日に家で過ごすのとはわけが違う。いつ終わるかわからないはじまりに突入してしまい、2週目あたりには、気分は落ち込んでいた。

 決まっていたイベントが何件も中止になった。

 バラシ案件の報告を聞く日々。

 うーん、貯金がないわけではないけれど、個人事務所なこともあり、誰が補償してくれるわけでもなく、ぼくが守らなきゃいけない人がいる。

 ただ、いま何ができるかわからなかった。

 無限の時間をいかに明るく思い詰めずに過ごせるかを考えはじめたのは、焦る日々に疲れたからだった。

「あ、ヴァイオリンをやろう」

 きっかけは、仲良くしてる友人が家でヴァイオリンの練習をしてるのを電話で聞いたからだった。ぼくはピアノとヴァイオリンの音が特に好きで、ピアノは昔習っていたけれど、ヴァイオリンはハードルが高いとなかなか手を出せてなかった。

 たまたま仕事を手伝ってくれてる子の旦那さんがプロのヴァイオリニストで、オンラインレッスンをできないかとお願いしてみたら、快く受けてくれて、レッスンをはじめた。

 週に1度、1時間~1時間半ほど指導を受けて、それ以外の時間は自主練。毎日30分~1時間程度、触れるようにしている。

 31歳になってから、新しい楽器に挑戦するとは思わなかった。2回目のレッスンで、カントリーロードをなんとなく弾けるようになった。もちろん音は安定せず、とても難しい。けれど、楽しかった。

 やればできるんだ。

 頭の中のモヤモヤが、少しずつ消えてくようだった。音楽の力は偉大だ。きっと、こんなに暇にならなければやろうと思わなかっただろう。

 それからは、今後どう仕事と向き合うべきなのか、ファンのみんなに対して自分が今できることはなんなのだろうか、いろんなことをすっきりした頭で考えられて、YouTubeチャンネルを開設したり、Instagramや公式LINE、ファンクラブのHPコンテンツの更新頻度をあげた。

 こんなにファンの人たちの声をたくさん聞くのは、もしかしたら久しぶりかもしれない。そのくらいたくさんのコメントを片っ端から読みまくり、時に落ち込み、時に励まし、支えていかなきゃと思えた。

 やはり一人で生きるのは大変だ。こんなときだからこそ、明るい気持ちになるものを届けたいし、でも不安も共有したいし、元気でいて欲しい。元気でいたい。

「おうち時間」は、自分をよく知るきっかけになった良い時間になった。

最上もが(もがみ・もが)
1989年2月25日生、東京都出身。 ドラマや映画、バラエティ、ファッション誌などに出演しさまざまなメディアで活動中。 4月よりファンクラブ「Mogarium」、YouTubeチャンネル「もがちゃんねる。」開設。

デイリー新潮編集部

2020年5月1日掲載

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