コロナ感染者を“殺人鬼”扱いの大阪「泉南市議」 酔っぱらってFacebookに投稿した説

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10月まで居残る

「梶本市議が市議会で謝罪する模様がテレビで放映されました。それを見た私の支持者から何件も抗議電話がありました」

 と語るのは、さる泉南市議である。

「『なんであんなに不貞腐れた態度をしているんだ』『まったく反省の色が見えない』『早く辞めさせるべきだ』『辞職勧告決議は、効力があるのか』という内容でした。しかし、梶本市議は、『辞職勧告されたって、絶対辞めない』と言って笑っていますよ。彼は、今年10月に行われる市議選のことしか頭にないようですね。選挙に向けて、高齢者問題を強調したくてあんな過激な言葉を使ったのでしょう。感染者を殺人鬼扱いするなんて、これはもう議員としてではなく、人として間違っています。殺人鬼呼ばわりされた女子高生やその親は、かなりショックを受けたのではないでしょうか。心配ですね」

この市議は、“殺人鬼”の投稿があった23時47分という時間に注目している。

「梶本市議はお酒が大好きで、毎日のようにウイスキーやブランデーを飲んでいます。深夜に投稿した彼のFacebookは誤字脱字が多いのが特徴です。投稿した時間帯は、間違いなくアルコールが入っていたと思いますね。酔って、気が大きくなってあんなことを書いたのではないでしょうか。とにかく常識がない人で、酔っぱらうと深夜の2時とか3時に平気で議員仲間に電話をかけることでも有名です。みな電話には出ませんけどね、着信は残りますから。議員たちと視察旅行に行く時も、飛行機の中で酔っ払っています。離着陸時はシートベルト着用なのに、それを無視して立ち上がり、キャビンアテンダントを呼んだこともありました」

 市議会でも評判はよろしくない。

「市議会の報告会などで、他の議員が質問をしていると、よくヤジを飛ばします。大阪では茶々を入れると言うのですが、司会者が『茶々を入れるな』と注意すると、怒って、懲罰委員会にかけるぞ、と逆ギレしたりします。こんなトラブルは日常茶飯事で、皆も困り果てていますよ」

 これでよく4回も当選したものだ。

「泉南市は元々繊維の町で、かつて市内には多くの繊維工場がありました。梶本市議は、市議になる前は父親の代からあった繊維工場を経営していました。彼の親戚にも繊維工場の経営者がいますから、彼には繊維関連の票があったのですよ」

 梶本市議は、「梶茂繊維産業」と言う会社を経営していた。実はこの会社、2005年2月に火事を起こしているのだ。当時の朝日新聞(2月4日付)の大阪夕刊がこう報じている。

《4日午前1時ごろ、大阪府泉南市信達牧野の繊維加工会社「梶茂繊維産業」(梶本茂躾社長)付近から出火、鉄骨一部2階建ての工場延べ約4千平方メートルが全焼した。けが人はなかった。この火事の影響でJR阪和線が日根野―和歌山間で始発から午前7時半すぎまでの約2時間半、上下線とも運転を見合わせた。計63本が運休または部分運休し、約4万7千人に影響した。

 泉南署などによると、同工場は24時間稼働で、毛布やじゅうたんなどを製造。出火当時は3人が働いていたという。工場の外側に積まれていた繊維原料が激しく燃えており、同署は放火の可能性もあるとみて出火原因を調べている。》

 繊維工場が全焼したため、会社は閉めることに。その翌年市議補選に出馬したのだ。

ベテラン市議がこう言う。

「火事の後、保険会社から保険金が出たので、自分で火をつけたのではないか、と冗談まじりに言う人もいましたよ。そんなことを言われるくらい、彼には人望がなかったということです。24日の議員運営委員会で、全会一致で辞職勧告決議案を提出することを決めました。これが可決するのは間違いないと思いますが、梶本市議が受け入れるかどうか。10月まで居残るんとちゃいますか」

週刊新潮WEB取材班

2020年4月29日掲載

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