“聖典”資本論を読めば温暖化も解決 共産・志位委員長が「赤旗」で講義

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 キリスト教の「聖書」、イスラム教の「コーラン」。日本共産党の理論的支柱である『資本論』は、これらに並ぶ“聖典”である。もっとも、

「実際に読んだことがあるのは、全党員の1%以下でしょう。党幹部の中央委員ですら、全員が読んでいるかどうか怪しいくらい。だから、こんな“企画”がときどき催されるんですよ」

 と共産党ウォッチャー。

 その“企画”とは、3月22日より「しんぶん赤旗」で始まった〈改定綱領学習講座〉と題する連載だ。

「共産党は今年1月に開いた党大会で綱領を16年ぶりに改定。中国共産党への評価を否定的なものへと一転させました。そして、先月から志位和夫委員長の紙上講義を4週にわたって掲載しているのです。講義には随所に『資本論』の解説がちりばめられ、党員は“聖典”を読まずとも、読んだ気になれる」

 これまでも度々組まれてきた『資本論』の特集。

「でも、理論的な解説は長らく不破哲三前議長(90)の専売特許でした。今回、志位さんが担当しているのには、隔世の感がある」

 大役を任された志位サンだが、同党のネガティブな印象を払拭しようとする努力の跡も。

「4月5日に掲載された第3回講義では“アメリカの若者の70%が社会主義の候補者に投票したがっている”という、腰を抜かすようなデータを紹介。さらに、年々進行する温暖化問題も『資本論』で解決すると胸を張った。志位さんの解釈では、マルクスは150年以上前すでに、地球規模の環境破壊を予測していたフシがあり、社会主義・共産主義社会ではそうした問題は起こらないそうです」

 なんて便利な“聖典”だこと。

週刊新潮 2020年4月16日号掲載

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