コロナまみれのホステスが向かった先は…「夜の街」バトルロワイアル

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結構、コロナの症状出てる子がいたんですよ

 その後そういう方々と世間話的なLINEを続けたのですが、
「『W』って知ってますよね。あの店、緊急事態宣言ギリギリまでやってたんですけど、結構、コロナの症状出てる子がいたんですよ。それでその子たち、お店が休業に入ったら、マッチングアプリ(出会い系サイトだったり、無店舗型キャバクラ)に登録して、地下に潜って営業している会員制バーとか客の自宅とかへ出張で行ってるみたいなんです。いくら稼ぎたいからって無茶苦茶ですよね」
 と、信じられない現実があることを教えてくれました。

「常識がなさ過ぎるね。怖い怖い」と返すとさらに、
「自覚とか常識なんてないですよ、お金さえ貰えれば良いと思ってる子たちだから。徳光さん(この原稿を書いている私です)も気をつけてくださいね、Wの子たちだけじゃなくても、そういう子がいるから」と、アドバイスをくれたのです。

 幸い私は先にも述べたように臆病者ゆえに、そういったアプリには登録していないし、しっかり引き篭もっているので出会う機会はないとは思いますが、その無自覚・無責任な行動に恐怖と怒りを感じた次第であります。

 今後、収束宣言がなされたとしても、夜の稼業の方々が日常を取り戻すというのは順番的に一番後回しになることでしょう。加えて、3密を幾日も避けてきたので、心理的に敬遠する方も多いと思います。一方で鬱憤を晴らす意味ではしゃぐ方もいるとは思いますが……。

 繰り返すようですが、夜の盛り場の“復興”への道のりは長く険しいものと思われます。もしかしたら、その在り方すら変わってしまう可能性もあります。しかしもう一度、立ち上がり笑いと艶を復活させてくださいましたら、巷好きとしては微力ながら応援させて頂きたく思います。

徳光正行
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。日本大学芸術学部在学中よりミュージシャンを目指すが、父の病により断念。その後、司会業やタレント業に従事する。また執筆活動にも着手し『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』などを上梓。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』を出版予定。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年4月19日掲載

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