クイズ番組で赤っ恥 土屋太鳳の姉・炎伽のカン違い

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炎伽がカン違いしている自分の価値 求められるのは「人間性」より「人間味」

 考えてみれば「いい子」といえば、むしろ妹の太鳳の専売特許だ。少女マンガの主人公のような、明るくて頑張り屋の元気な女の子。その様子は「ぶりっ子」「暑苦しい」と反感を買うことも多い。ただ彼女が若手女優の中で存在感があることは事実だし、知名度は相当高い。おそらく土屋家では、前向きに努力すれば報われる、という信念を強めたのではないかと思う。妹の成功を間近で見ていたならなおさらだろう。

 しかし、そもそも芸能界で姉妹のキャラがかぶるのは、どっちにとっても損である。姉妹ともにタレントとして活躍中の名前をあげるなら、有村藍里や広瀬アリスがいるが、この2人には共通点がある。妹が先に大ブレイクしたということ、そして人気の妹に対するコンプレックスを見せたことである。のちに藍里は整形を告白し、アリスはオタク気質をオープンにして、ともに新たなファン層の開拓に成功した。

 そう考えると、炎伽はカン違いをしていたように見える。自分の価値は清らかな「人間性」と思っているのかもしれないが、世間が見たいのはもっと泥臭い「人間味」ではないだろうか。ミスコンの優勝者を笑顔で称えるお行儀の良さより、むしろふくれっ面でくやしさを前面に出すような率直さに興味を覚える。苦手なことにも逃げずに一人で立ち向かう美しさより、どうか助けてほしいとジタバタもがくような可愛げに好感を抱く。妹と同じポジティブさより、我が道を行く不器用さを見てみたい。意外とお茶の間とは、そういうものではないだろうか。

 お行儀の良さ、後味の良さを意識してきた炎伽にとっては、それは苦しく恥ずかしいことだろう。困難があっても、ひたむきに目標に向かって頑張り夢をかなえる。「努力は裏切らない」という人生を地で行く炎伽が成功するならば、それはそれで良い世界であることの裏返しとも言えるし、その姿に勇気づけられる人も多いことだろう。「人間性」を称えあう美しき世界にとどまるか、「人間味」で勝負する泥臭い世界に飛びこむのか、炎伽は決断の時のように思われる。

(冨士海ネコ)

2020年4月12日掲載

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