モンゴルのコロナ感染は超少数 中国に隣接なのになぜ?

国際 週刊新潮 2020年4月2日号掲載

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 世界中に新型肺炎を撒き散らした中国と国境を接していながら、感染者が10人にとどまっているのがモンゴルだ。人口1万人あたりにすると0・03人。日本が0・08人だからいかに少ないか分かる。10人の感染者もチャーター機で帰ってきたモンゴル人と、駐在のフランス人で、国内感染ではない(3月23日時点)。医療が充実しているわけではないのに、どうやってパンデミックを抑えているのか。

 2月下旬に、現地を訪れていた米ハドソン研究所の磯村順二郎氏が言う。

「モンゴルは経済的に中国に依存している国ですが、1月に武漢での新型肺炎のニュースが伝わると、陸路も空路もシャットアウト。当時、まだ日本便が飛んでいましたが、チンギスハーン国際空港に着くと完全防護の係員6人が機内に乗り込んできて、乗客全員が20項目ほどのアンケートを書かされた。さらに体温チェックや中国への渡航歴などの質問を受け、飛行機から降りると入管ではパスポートの入国歴を詳細に調べられ、やっと入国できたのです」

 まだ日本政府がクルーズ船への対応で、右往左往していた頃の話である。2月下旬にはバトトルガ大統領が中国を訪問しているが、帰国後、自ら隔離施設に入り、そこで執務するという徹底ぶりだ。モンゴルの人材派遣会社関係者が謎解きをしてくれた。

「モンゴルは畜産業が盛んで、長年、家畜の伝染病を防ぐことが国の課題でした。加えて2003年にSARSを持ち込まれダメージを受けた経験がある。中国で伝染病が流行したら有無を言わせず“陸際”で防ぐというコンセンサスが出来ているのです」

「異形の大国」と地続きの隣人ならではの危機意識である。