故・八千草薫さん、3億円豪邸を恩人に寄贈していた マネ語る“見事なる終活”

エンタメ 週刊新潮 2020年3月19日号掲載

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 稀代の名女優は人生の幕の閉じ方も一流である。昨年10月に膵臓がんのため亡くなった八千草薫(享年88)の豪邸がこのほどある人物らに遺贈された。その陰に彼女の「終活」があって――。

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 身内に先立たれて、“ひとり”になった時、身辺整理をどうするか。生涯女優を貫いた彼女にとっても例外ではなかった。昨年、「文藝春秋」(8月号)掲載の手記に八千草はこう綴っている。

〈80歳を過ぎた頃、「終活」をしようと思い立ち、(中略)最近になって改めて決心して、遺言状をちゃんと作成しました〉

 満州事変が始まった1931年(昭和6年)に大阪府で生まれた八千草は幼いころに父を亡くし、きょうだいもいなかった。57年、映画監督の谷口千吉と結婚。子はいなかったものの、仲睦まじい夫婦として知られた。だが、2007年に夫が鬼籍に入る。身寄りのいない中で八千草は「終活」について、考えを巡らせていたわけだ。

 ふたりが居を構えていたのが世田谷区にある高級住宅地だ。150坪ほどの土地に建てた一軒家で、土地だけでも3億円近くの資産価値。豪邸にはサンルームが併設され、そこから見える庭と池がお気に入りだと、自身の著書でも触れている。

「一昨年の1月に膵臓がんの手術を受けているのですが、同じ年の春あたりに、この家をどうしようか、という話になりました」

 とは、40年の長きにわたりマネージャーを務めてきた原田純一氏である。

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