“コロナばらまくぞ男”のせいで蒲郡市民は騒然! 市役所は店名非公表で抗議電話殺到

国内 社会 2020年03月08日

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陽性で外出の異常

 あなたが新型コロナウイルスに感染し、保健所に「入院先が決まるまで、自宅で待機してください」と指示されたら、どうするだろうか。その通りにするだろうか……。

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 愛知県の蒲郡市に住む50代の男性は――常人には全く理解しがたいことだが――酒を飲みに出かけた。

 メディアが一斉に報じると、もちろんネット上は大荒れとなった。民放キー局も強い調子で非難した。

「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系列・平日・13:50)では、コメンテーターの木村太郎(82)から「逮捕」という単語が飛びだした。

 デイリースポーツ(電子版)は3月6日、「安藤優子と木村太郎氏 怒りのあまり会話ガタガタに…愛知の『ウイルスばらまく』外出に」から引用させていただく。

《木村氏の発言も激しく、包丁を持って外出したようなものだと断じ、「韓国だったら間違いなく逮捕されてますよ。今、日本はコロナウイルスに対する緊張感があまりにも薄すぎる」と止まらなかった》

 一体、何があったのか、YAHOO!ニュースで検索を行うと、最も早い報道として表示されるのは、3月5日の午後4時53分だ。名古屋市に本社を置く東海テレビが以下の記事を配信している。

「陽性と判明後『自宅待機要請を無視』…新型コロナ50代男性感染者が“飲食店利用” 受入先決定までの間に」

 東海テレビはフジテレビ系列のため、同社のニュースサイト「FNN PRIME」も、すぐさま速報で報じた。

「【速報】愛知で“陽性”男性が飲食店に 医療機関の「自宅待機」を無視」

 2つの記事は、蒲郡市の会見を受けて作成された。「【速報】」の文字に、高いニュース価値が浮かび上がる。事実、これから大手メディアは次々に記事を配信していく。

 まずは東海テレビの報道から、要点をご紹介しよう。

▼蒲郡市は3月5日、市内に住む50代の男が陽性と判明、自宅待機を要請したにもかかわらず、飲食店を訪れたと会見で明らかにした。

▼医療機関が男に対し、3月4日の午後6時ごろ、陽性の結果を伝えた。

▼受け入れ先の医療機関が見つかるまで、自宅待機を要請。だが、男は4日の夜、1人で市内の飲食店を訪れた。

▼男が訪れた店内にいた濃厚接触者は健康観察の対象とし、自宅待機を求めた。

▼市は「自宅待機の状態が守られず、市民に感染の危険があったということは大変遺憾」と抗議の意を示したが、店名は広報しなかった。

 原点は愛知県の発表だった。県は3月4日、「三河地方の50代男性と30代男性」が新型コロナウイルスに感染したと発表した。その後に何が起きたのか、蒲郡市役所に訊いた。

「西三河と東三河を足すと、市だけでも14市あります。『三河地方』という県の発表に対し、SNSなどで『どこに住んでいる人だ?』などと情報を求める書き込みが増加したことは把握していました。更に、蒲郡駅前で、防護服を着て作業にあたっている人がいるという目撃情報が伝播していることも分かっていました」

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