“コロナばらまくぞ男”のせいで蒲郡市民は騒然! 市役所は店名非公表で抗議電話殺到

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市民からの抗議が市役所に殺到

 ところが、やはりと言うべきか、マスコミは店名にこだわった。会見では店名の開示を求める記者と、店名を公表しない理由を説明する市の間で、かなりのやり取りが展開されたという。

 ネット担当の記者が「その一方で、ネット上では店名が拡散していきました」と振り返る。

「実はツイッターなどで広まった防護服の写真ですが、拡大すると、店の入口に“ピンパブ”という文字が書かれているのと、店名の一部と思われるアルファベットが読めるのです。誰かが調べたのか、ネット上では2軒のうち1軒が“フィリピンパブ”だとされ、具体的な店名も指摘されていました。更に、もう1軒の飲食店も名前が出回ってしまいました」

 マスコミ側は、蒲郡市側の要望を受け入れ、店名を伏せて報道を行った。すると今度は市民から抗議の電話が殺到したという。

「店名を公表すべきというご意見やご要望、『市が持っている情報は全て開示すべきだ』というお叱りの声を、お電話でたくさんいただきました。中には、ご自身が4日の晩に訪れた飲食店の名前を挙げられて、『私の行った店に男はいたのですか?』とお問い合わせをされる方もいらっしゃいました。しかしながら、たとえ広報を担当する部署であっても、職員は店名を知らないとは申し上げておきます」(市役所)

 店名の非公表に対する異議だけでなく、「なぜ男が酒を飲みに行くのを許したんだ」と叱りつける電話も多かったという。

「どうして男性を縛っておかなかったのか、とか、せめて監視の人間を1人、男性の自宅に置いておくべきだったとか、様々なご意見をいただいております。ただ、この件に関しましては、たとえ私ども職員が『男性に不審な点がある』などと察知したとしても、縛るとか監視下に置くとか、そういうことは現実的には難しいということはご理解いただきたいと考えております」(市役所)

 蒲郡市役所は、市民から「店名を開示してほしい」と多数の要望が寄せられたことについては、今も悩みが深いようだ。「今後、店名の発表を検討しますか?」と質問すると、以下のような答えが返ってきた。

「たくさんのご要望やご指摘をいただいているのは事実です。皆さまのお声に対応すべきか、必要に応じて対応策を検討するかもしれません」(市役所)

 当然ながら、問題があるのは男の行動であって、蒲郡市役所ではない。市民も分かっているのだろう。だが、それでも市役所に抗議の電話をかけてしまうのかもしれない。

 一方、ツイッターでは「被害受けた店舗はしっかり損害賠償請求して欲しい」や「迷惑防止条例違反、威力業務妨害、さらに飲食店の客に感染者が出たら傷害罪を適用するべき」などの書き込みが目立っている。

週刊新潮WEB取材班

2020年3月8日掲載

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