人口増加率日本一、税収は6年連続過去最高を更新……超成長都市「福岡市」の秘密

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 福岡市は今、全国で最も勢いのある都市だ。10年以上前から人口は毎年1万人増え続け、2019年時点で159万人。人口増加率7%は日本一(2019年1月時点)。企業の開業率は、7・5%(2016年)で東京23区を含む21大都市の中で1位。税収は3000億円で、政令都市で唯一、6年連続過去最高を更新中だ。2017年、野村総合研究所が発表した「成長可能性都市ランキング」のポテンシャルランキングで1位、と成長は留まるところを知らない。その秘密は、「スタートアップ都市宣言」にあり!

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 最近よくメディアで「スタートアップ」という言葉を耳にすることはないだろうか。実は、これ、今までにないイノベーション(技術革新)で新しいビジネスを行うことで、アマゾン、マイクロソフト、スターバックスなどが成功例として知られる。

「福岡市が企業の開業率がトップになったきっかけは、高島宗一郎市長が2012年に、『スタートアップ都市宣言』をしたことでした。これでスタートアップを行う機運が高まりました」

 と話すのは、2月に『超成長都市「福岡」の秘密 世界が注目するイノベーションの仕組み』(日本経済新聞出版社)を出版した石丸修平氏である。同氏は、経済産業省の大臣官房政策評価広報課、中小企業庁長官官房参事官室等を経て、2015年から福岡地域戦略推進協議会(FDC)の事務局長を務めている。

 FDCは2011年、高島市長を中心に地元の財界と大学が連携して設立された。福岡地域の国際競争力を強化するために、成長戦略の策定や推進まで一貫として行うシンク&ドゥタンク(問題解決に向けた行動実践の伴う頭脳集団)である。会長は九州経済連合会の麻生泰会長、副会長は九州大学の久保千春総長と高島市長が就任した。

 207の会員企業や大学、自治体などが所属。会員の半分以上は、福岡都市圏外からの参画という。福岡都市圏と圏外の企業がコレボレーションすれば、産業産出の機会が増えるからだ。

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