柔道五輪代表「新選考システム導入」でゴールドラッシュの予感?

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 東京五輪における柔道の代表選考がこれまでと大きく変わったことをご存じか。

 リオ五輪までは、本番直前の4月に行われる全日本選抜体重別選手権の後に一気にほぼ全階級の代表を決めていた(最重量級のみ直後に行われる全日本選手権終了時に選出)。

「思い出されるのは2008年。北京五輪代表をかけた体重別で、負けた谷亮子が“実績重視”で選出され、物議を醸しましたね」

 と大手紙柔道担当記者が振り返る。

「その後、透明性を高めるために選考委員会が公開されるようになりました。ただ、体重別はともすれば五輪本番より熾烈な争いになりがちで、選手が燃え尽きてしまったり、故障したり、本番への準備が足りなかったり、とさまざまな弊害が叫ばれていました。そこで今回は、体重別後に一気に決めるのではなく、3段階で代表を決めることになったのです」

 まず、昨年8月の世界選手権と11月のグランドスラム(GS)大阪で、連勝すれば原則内定。これが第1段階で、実際に内定したのは女子78キロ超級の素根輝(そねあきら)だけだった。第2段階は、2月8、9日に行われたGSパリと21~23日に行われたGSデュッセルドルフの結果を受けて、2月27日に決定される。最終段階はこれまで通り体重別選手権だが、前述したような弊害があるので、

「よほど接戦でない限り、体重別での選出は避けたい」

 既に行われたGSパリで女子日本勢は金が一つだけ。

「実は、パリに出場したのは各階級の2番手です。1番手はデュッセルドルフに出場し、金なら内定です」

 しかも実績面で2番手と大きな差がある1番手は、よほど無様な負け方をしない限り内定が出るのだとか。

「具体的には、女子では48キロ級・渡名喜風南(となきふうな)、52キロ級・阿部詩(うた)、63キロ級・田代未来(みく)、70キロ級・新井千鶴、78キロ級・浜田尚里(しょうり)が出場。内定が有力です」

 満を持してゴールドラッシュ! といきますか。

週刊新潮 2020年2月27日号掲載

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