雅子皇后の肉声いまだ国民に届かず…18年ぶり会見を拒む主治医の言い分

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私的な友人

 見解の“作成者”と問題点を、先の記者が指摘する。

「雅子皇后の主治医、精神科医の大野裕医師によるものです。上皇ご夫妻は、ご自身の体調や病状をきちんと国民に知らせるお考えである一方、雅子皇后と大野医師はそうではない。身体的な病とは別で心の問題だということだと思います。ただし、いまどきは心の病に悩まれる方も多く、世間では普通の病気と認知されている。雅子皇后の心の病だけ特別扱いし、隠し立てするのはおかしいという意見も出て当然です」

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏も、

「医師団の見解は決まりきった表現で、医学的な情報がまったく含まれていない。これはおかしな状況です。皇后は、天皇に不測の事態があった際に代役をつとめることができる特別なお立場。その病状や治療方法などの情報は公的な側面が大きいので、国民に対してもっと医師らしい見解が出されてもいいはずです」

 それが出されないのは、

「大野先生は宮内庁の職員ではなく、あくまで雅子さまの私的な友人にすぎないのです。つまり、雅子さまの心のご病気は大野先生だけが治療を行っている状態なのだと思います。かつて、皇室の医療を統括する医務主管を務めていた方が月刊誌のインタビューに“大野先生から医学的な説明を受けたことがなかった”と答えたことがありました。医務主管ですら把握できていない病状を宮内庁が発表できるはずがありません」

 大野医師がそれを阻んでいる格好になるわけだ。当のご本人に訊ねると、

「すみません。どなたにも一切お話ししていませんので。医務主管の方に聞けばいいんじゃないでしょうかね」

 淡々と、丁寧に、そして他人事のように語るのみであった。

週刊新潮 2020年2月13日号掲載

ワイド特集「許されざる者」より

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