「悟りを得たはずの僧侶」は、なぜ凶悪なテロ事件を起こしたのか?

国内 社会 2020年2月9日掲載

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 88年前の今日、すなわち昭和7年2月9日、前蔵相の井上準之助がテロリストの凶弾に斃れた。さらに同年3月5日には三井財閥を率いる團琢磨も暗殺される。戦前日本がファシズムに傾倒していく端緒の一つとされる「血盟団事件」である。

 テロの首謀者は、日蓮宗の立正護国堂に住持した井上日召。正式な僧籍こそ持っていなかったものの、20代の頃から坐禅に勤しみ、38歳の時に悟りを得た仏教者であった。

 なぜ悟りを得たはずの人間が、凶悪なテロ事件を起こしたのか――。長年にわたり「悟り体験記」を収集し、その分析を進めてきた仏典翻訳家の大竹晋さんの著書『「悟り体験」を読む―大乗仏教で覚醒した人々―』(新潮選書)から、井上日召についての考察を紹介しよう。...

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