新型コロナで注目の「クルーズ船」ツアー ダイヤモンド・プリンセス号“人気の秘密”

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 現在、横浜港沖に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗員乗客は約3700人。このうち、新型コロナウイルスの感染者は61人(2月7日現在)に上がっている。ウイルスの潜伏期間は最低14日のため、乗員乗客は2週間ほど船内に止まることになる。乗客にとっては思わぬ災難と言うほかないが、今回の一件でダイヤモンド・プリンセスは一躍、日本での知名度がアップした。

 2004年にデビューしたダイヤモンド・プリンセスは、日本で建造された最大の客船で、全長290メートル、全幅37・5メートル、総トン数は11万5875トン。乗客定員は2706人で、巡行速度は22ノット(時速41キロ)。船籍はイギリスで、船会社はアメリカの「プリンセス・クルーズ」である。

「乗員乗客約3700人のうち、日本人は半数近くとなっています」

 と解説するのは、クルーズ船の運営会社「カーニバル・ジャパン」(東京)の広報担当者。

「日本人の乗客の多くが、現役をリタイアした60~70代のシニアの方たちです。ゴールデンウィークや夏休みは、子供とその両親、祖父母と3世代の方たちが乗船されることもあります」

 今回、コロナウイルスに見舞われたツアーは、『初春の東南アジア大航海16日間』で、ツアー1人当たりの料金は、一番安い内側ツインベッドで19万8000円。海側バルコニーが27万8000円~、ジュニア・スイートが39万8000円~、プレミアム・スイートが74万円、最も高額なのは約124平米のグランド・スイートで138万2000円となる(いずれも税別)。1月20日に横浜を出発後、22日に鹿児島に寄港し、25日に香港に到着。その後ベトナムや台湾を巡り、2月1日に那覇に寄り、4日早朝に横浜に戻る予定だった。

「ゴールデンウィークには、6日間のお手頃なツアーもあります。また、金環日食を体験するツアー、夏休みには、日本の祭りや韓国を巡るツアーもあり、日本を発着するツアーは年間で40ほどになります」(同)

 お手頃なツアーは「ゴールデンウィーク ショートクルーズ6日間」で、5月5日に横浜を出発して関門海峡、釜山、佐世保に寄港し、10日に横浜へ戻る。旅行料金は、内側ツインが6万8000円、海側バルコニーが10万5000円。

 金環日食のツアーは「金環日食観賞!沖縄・台湾リゾートクルーズ9日間」で、こちらは神戸発着で、6月18日に神戸を出発して、21日に金環日食を観賞。その後、台湾、石垣島、那覇に寄港して神戸に。旅行料金は、内側ツインが11万8000円、海側バルコニーが26万2000円~。

 祭りのツアーは「日本の夏!竿燈・ねぶた・よさこい・阿波おどりに沸く周遊クルーズ・韓国12日間」で、料金は内側ツインが15万8000円、海側バルコニーが23万8000円~である。

 クルーズというと、旅費は数百万円というイメージだった。そう考えると、3食付きでこの料金は安いのではないか。おまけに、リピーター客には割引もあるという。

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