「有吉ゼミ」の人気で民放のバラエティ番組に“激辛ブーム”が到来 今後を心配する声も

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健康被害が生じる懸念

 最後は1月18日に放送された「にじいろジーン」(関西テレビ制作/フジテレビ系列・土曜・8:30)。MCの山口智充(50)と劇団EXILEの町田啓太(29)が上野を散策したのだが、「中国人も絶賛! 本場顔負け うま辛グルメ」として、四川料理の店が登場した。

 民放キー局で番組制作に携わる関係者は、「どの民放キー局でも似たような“激辛企画”が目白押しで、明らかに“激辛ブーム”です」と言う。

「テレビ東京さんの『全国大食い選手権』を筆頭に、90年代から00年代にかけてテレビの世界では大食いブームが起きました。10年代に入ると、ややブームは終息したようにも見えましたが、大食いYouTuberが出現するなど、大食い番組は一定のニーズに支えられてきました。ところが最近は、激辛という要素が加わって、ブームが再燃したようです。実際の外食産業でも唐辛子だけでなく山椒をふんだんに使った『第4次激辛ブーム』が起きているそうで、そうした動きともマッチしたということでしょう」

 ブームが波に乗ると、鈴木亜美(37)や水原希子(29)が“激辛クイーン”として注目を集めた。ちなみに後者は1月20日の「有吉ゼミ」で爆辛ファイヤーカツ丼に挑戦したがギブアップしてしまい、ネット上でバッシングが起きたことがある。

「テレビ局としては新しい大食いスターを求めて今も試行錯誤をしているのですが、激辛という新しい要素が加わっても、結局はギャル曽根さん(34)が引っ張りだこになっています。彼女は食べ方が綺麗ですし、美味しそうに食べる姿が視聴者に好印象を持たれています。彼女のライバルが早く登場してほしいのですが、単なる大食いでは駄目ですから、なかなか難しいのかもしれません」(同・関係者)

 プロのテレビマンとして懸念もあるという。YouTubeの世界では、早食い動画で死者が出たことが取り沙汰されているが、テレビも「マネをする視聴者」に心配するようになってきたという。

「一般の方々が無謀な激辛チャレンジを行い、健康被害が生じたりすると、テレビ局も自粛せざるを得ない事態になるかもしれません。そのため今後は、放送する際に注意書きが字幕で表示されることになるのではないでしょうか。例えば『医師や専門家の立会いの下、撮影しています』という具合です」(同)

 懸念は、もう1つある。

「インパクトを求めるあまり、要求される激辛度はどんどん上がる一方です。そのためスタッフは店に頼み込み、通常で最も激辛なメニューを選ぶだけでなく、撮影用として更に辛くしてもらうケースが増えています。辛くする方法を店の調理担当に教える場合もあります。一応、テレビの現場でこうした行為は“演出”の範囲内だとされていますが、お店の人からすれば“やらせ”に思えるかもしれません。気分を害してツイッターなどSNSに暴露される危険性があります」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年2月2日掲載

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