ライバル潰し、連ドラ「初回放送」の延長が多すぎる 「日テレ」だけがやらない謎

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リモコン普及のせいで

「ドラマの初回延長が頻繁に行われるようになったのは、視聴率戦争が始まった1994年頃からだと思います。まずバラエティ番組が、20時からの放送を19時54分から始めるなど、禁じ手と呼ばれた“フライング編成”を始めて、他の番組に視聴者が流れないように仕掛けて成功したせいです」(同・民放プロデューサー)

 フライング編成はクイズ番組「マジカル頭脳パワー!!」(日本テレビ)が最初と言われる。94年4月に放送曜日を引っ越しする際に、それまで20時ちょうどにスタートしていた番組を6分早めたことで、視聴率30%を超えることもあるお化け番組に成長した。そしてこの年、日テレは、それまで12年間、視聴率三冠王を続けていたフジから、王座を奪い取った。

「当時、テレビのリモコンが普及し、CM中にチャンネルを簡単に変えられるようになり、ステブレ(ステーションブレーク:番組と番組の間の時間)のザッピングを防いで、いち早くチャンネルを決定してもらうための戦略でした。さらにバラエティがスタートを早めるなら、ドラマはお尻を延長して、“テッペンまたぎ”をしようとしたのです」(同・民放プロデューサー)

 テッペンまたぎとは、20時ジャストなどの“正時”をまたいで放送すること。昨年は4月30日から5月1日にかけて放送することが、“改元またぎ”と呼ばれた。また、CMに入る前に「答えはCMの後で」などと煽って、答えをCM後まで引っ張ることを“CMまたぎ”と呼んだ。

「CMまたぎは、CM後にかなり巻き戻してから放送するという手法が横行するようになり、視聴者から批判が殺到。テレビ離れの原因になったと言われました。そして、フライングスタートのテッペンまたぎも、当たり前のようになる中、17年にTBSが打ち出したのが、20時台と22時台のフライングスタートを止めて、正時スタートに戻すというものでした。結局、どの局もフライングするようになっては、差別化できませんからね」(同・民放プロデューサー)

 TBSは現在、夜の番組の多くは正時にスタートしている。

「他局も正時スタートが増えた傾向があります。もっとも、TBSだって『サンデージャポン』(日曜9時54分~)などは、スタート時に太田光が大はしゃぎするオープニングこそ流すものの、その後は10時まで延々とCMを流していたりします。あれなら10時スタートでいいと思いますけど……」(同・民放プロデューサー)

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