ゴーン逃亡劇で日本は悪者か、欧米メディアの見方を「デーブ・スペクター」が解説

ビジネス 2020年1月20日掲載

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欧米の報道内容を総まとめ

 日本人としては、次のような疑問を持っているのではないか。

「海外メディアはゴーン被告と一緒になって日本を“人質司法の国”と批判するキャンペーン報道を繰り広げているのではないか?」

「逃亡劇を詳細に報じ、日本の出入国管理は穴だらけとバカにしているのではないか?」

「ゴーン被告の妻、キャロル・ナハス容疑者(53)に同情し、日本を批判する報道を繰り広げているのではないか?」

 そこでデーブ・スペクター氏に取材を申し込んだ。デーブ氏はニュース番組でコメンテーターを務めており、海外番組の買い付けなども行っていることから、海外メディアの報道に詳しい。当然ながらゴーン被告に関する報道も高い関心をもってウォッチしている。

「結論から言えば、日本の人質司法をセンセーショナルに批判するような報道は、行われていないに等しいですね。もともと日本と欧米の報道では、相当な温度差があるのです。欧米のメディアは、ゴーン被告の逃亡を事件としてではなく、経済ニュースとして取り上げています。日本は逃げられた側ですから、社会部が事件として大きく報道しています。いや、今や芸能ニュース並みの扱いかもしれません(笑)」

 アメリカの場合なら、ゴーン被告のニュースを報じているのは、自国のウォール・ストリート・ジャーナル、ブルームバーグ、そしてイギリスに本社を置くロイターという経済メディアが中心だ。記者と読者の関心は「ルノーと日産の将来は今後、どうなるのか?」がメインだという。

「ドラマチックな逃亡劇ではありましたが、そもそもルノーに高い関心を持っているのはフランス人だけでしょう。アメリカ人は日産の車が大好きですし、欧州車はドイツ車もイタリア車も人気があります。しかし、ルノーの車がアメリカ国内を走っているところはあまり見たことがありません。日本とフランスを除けば、カルロス・ゴーンという人物に対する関心はそれほど高くないのです」

 こうした欧米の報道姿勢は、ゴーン被告にも好ましい状況だという。彼の主張の根幹は「ルノーと日産の合併を阻止するために日本政府が動き、日産社内のクーデターを検察が応援した」だ。このストーリーに、海外の経済メディアも高い関心を持っている。

「テレビ東京が会見に出席を許されたことが大きな話題を呼びましたが、同じ理由だったと思います。『ワールドビジネスサテライト』(平日・23:00)は経済ニュースが中心で、検察のリーク報道を流す番組ではありません。ゴーン被告は『あの番組なら、自分の主張に関心を示すはずだ』と判断したのでしょう」

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