貴乃花が見え隠れする青学裏口入学トラブル 巡業部長時代に“青学場所”を開催

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 令和が幕を開けてからというもの、ふるさと納税のCMくらいでしかお目にかかれない「平成の大横綱」。だが、ある「裏口入学」トラブルを巡って、元貴乃花親方(47)の名が取り沙汰されている。日本有数の名門私学の闇に、なぜその姿が見え隠れするのか――。

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 最高気温33・9度という酷暑のなか、大相撲の夏巡業が盛大に催された。

 2017年8月8日、土俵が設けられたのは、東京・渋谷区にある青山学院大学の記念館だった。青学関係者によれば、

「学生や保護者だけでなく、外国人観光客も含めて5千人近い観衆が記念館に詰めかけました。そこで、なぜか“あの人”を見かけたんです。気になって声をかけると彼は挨拶もそこそこに、貴乃花を紹介する、と言い出したんだ。その日の貴乃花は巡業部長として館内を忙しく動き回っていたので“まさか”と思ったんだけど、本当に紹介してくれましてね……」

「平成の大横綱」との只ならぬ関係を見せつけた“あの人”とは、会社経営者の新藤将司氏(仮名)。後に彼は、夏巡業の舞台となった青学と深刻なトラブルを巻き起こすことになる――。

 箱根駅伝の強豪校としても知られる「青山学院」といえば、幼稚園から女子短大、大学までを擁する「私学の雄」である。

 なかでも、青学初等部は、慶応義塾幼稚舎、学習院初等科と並ぶ「お受験」の3大ブランド校として知られ、渡辺謙や蓮舫、桑田佳祐・原由子夫妻、江口洋介・森高千里夫妻など、この小学校に子女を通わせた著名人は枚挙に暇がない。

 だが、19年3月、そんなセレブ小学校を震撼させる“事件”が発覚した。

 ことの発端は、「週刊文春」(19年3月21日号)に掲載された「青山学院理事長の小学校『300万円』入学口利きを告発する」という記事である。

 自身の子どもを初等部に入学させるために同校の幹部を接待し、多額の寄付を行ったものの落とされたと告発した人物。それが他ならぬ先の新藤氏だ。

 ご本人の告発によれば、新藤氏は17年初めに知人を通じて、青学の校友会幹部と面識を得ている。

 その後、前常務理事で“青山学院アドバイザー”の肩書を持つA氏を紹介され、学校法人全体を統括する堀田宣彌(のぶみつ)理事長らと会合を共にするようになった。新藤氏は、レストランでの飲食費や大相撲の升席への招待など、堀田理事長を含む青学側への“接待費”が総額で160万円超、それ以外にも、青学に関連する複数の基金に300万円を寄付したと明かしている。

 だが、校友会関係者やA氏の名を連ねた“推薦状”を堀田理事長に渡し、万全の態勢で入試に臨んだものの、18年11月、新藤氏のもとに届けられたのは「不合格」の通知だった。

 大学側が公には絶対に認められない「裏口入学」の存在を、これだけ声高に叫ばれたら「名門校」の信頼が揺らぐ。

 仮にこの告発が事実であれば、幹部たちの間に激震が走ったに違いない。

 無論、青学側も黙っておらず、記事が世に出た直後に声明を発表。そこでは、

〈合計300万円が寄付された事実はあります。しかし、(中略)当学校法人の理事長が300万円で初等部入試に関して口利きをした事実も全くありません〉〈理事長及び院長が告発者から高級フレンチや大相撲の升席で接待された事実も全くありません〉

 と疑惑を真っ向から否定してみせた。加えて、この後に内部調査委員会を設置して報告書を公表し、同様の見解を示している。

 この「裏口入学」を巡るトラブルは、双方の言い分が食い違ったまま現在に至っているワケだが、本稿で取り上げたいのは別の「疑惑」についてだ。

 実は、「週刊文春」が報じた告発記事では、ある重要な人物の名前が抜け落ちていた。いや、意図的に隠されたと言うべきか。誰あろう「平成の大横綱」、元貴乃花親方である。

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