辛口コラムニストが選ぶ年間「ベスト&ワーストドラマ」 同時1位の“究極の作品”は……

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 ベスト篇、ワースト篇の発表が終わったというのに、会場内に鳴り響くドラムロール。コラムニストの林操氏には、他にも絶対外せない作品があるという。民放プライム帯の枠を取っ払い、NHK、昼ドラマも含めた、究極のベスト&ワーストを発表する。番外篇をどうぞ。

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:ドゥルルルルルルルルルルルルルッ!

アナ:おお!

:2019年、全ドラマ通してのベスト1は……「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(通年・NHK・日曜・夜8時)、そして「やすらぎの刻 道」(19年4月~20年3月[予定]・テレ朝系・平日・昼0時30分)!

アナ:今度も同率1位が2本ですか。林さんが倉本聰さんの前作「やすらぎの郷」(2017年)の大ファンだというのは知っていましたが……

:「郷」は半年の放送だったけれど、終わったときは、2019年連ドラベスト3篇で「凪のお暇」(TBS系)を褒めたときに言った「あのドラマの世界にもう一度浸りたい」感がキツくて、「やすらぎロス」にやられたくらいだら、今回の「刻」は1年通しての放送で嬉しいかぎり。

アナ:筋立ても、「郷」の続きのTV業界人専用の老人ホームでの物語と、主人公の脚本家(石坂浩二)が構想するドラマとが交錯する、いわば2本立てになっていて、あの趣向も面白いですね。

:そうそう、カネはあんまりかかってない作品だけれど、知恵はふんだんに注ぎ込まれてる。

アナ:出演者が放送期間中にお亡くなりになることも話題になっています。「郷」の際の野際陽子さんに続いて、「刻」では八千草薫さん、梅宮辰夫さん、山谷初男さんが亡くなりました。

:老人ホームが舞台の後期高齢者ドラマだからねぇ。でも、そういうところも新しいよね。「年金なんか意地でも出すか。死ぬまで働け!」っていう国のありようを強烈に皮肉っているようでもあり、死ぬまで働けることの楽しさ、ありがたさが身に染みるような展開でもあり。

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