「ブラック企業大賞」三菱電機は2年連続、自治体初・長崎市もノミネート

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 芸能界を初め、年末は賞レースが花盛り。経済界でも今年のヒット商品番付などが発表されているものの、企業が大賞獲得どころか、ノミネートすらされたくない賞がこれである。

 今年で8回を数えるブラック企業大賞だ。対象企業の選定には“人権派”弁護士や大学教授、労組幹部などがあたり、ノミネート発表後にネット投票が行われる。

 企画委員の一人で、NPO法人「アジア太平洋資料センター」の内田聖子共同代表によれば、

「12月13日、ノミネートされた9団体を発表しました。常連企業が多いなかで、昨年大賞だった三菱電機も候補に入っていて、大賞を受賞すれば、初の2年連続。ただ、今年は自治体初の長崎市役所も候補に入っています」

 一体、どんな“悪行”でブラックリストに載る羽目になったのか。

 全国紙社会部記者の解説では、

「2007年、長崎市役所で当時の原爆被爆対策部長による女性記者へのセクハラ疑惑が浮上しました。内部調査で、部長は肉体関係があったことを認めつつも、合意だったと弁明。その後、部長が首つり自殺したため真相はウヤムヤになったが、市議会では女性記者を揶揄するヤジが飛び交い“セカンドレイプ”のような状態が続いていたのです」

 PTSDと診断されて休職に追い込まれた女性記者は今年4月25日、約3500万円の損害賠償を求めて長崎市役所を訴えている。

 一方、連覇をうかがう三菱電機の問題を指摘するのは、経済誌デスクだ。

「三菱電機では14年からの4年間に5人が労災認定され、うち2人が自殺を遂げていたことが昨年の授賞理由でした。襟を正すどころか、今年8月、20代の新入社員が30代の教育担当社員から“死ね”などと言われて、自殺に追い込まれている。暴言を吐いた教育担当社員が書類送検までされ、2年連続のノミネートもやむを得ないでしょう」

 大賞発表と授賞式は12月23日に行われる。

 長崎市役所と三菱電機に聞くと、まるで示し合わせたかのように同じ様な回答だった。

「コメントは差し控えさせていただきます。また、授賞式に出席する予定もありません」

 出席する勇気は、さすがにありませんよね。

週刊新潮 2019年12月26日号掲載

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