萩生田文科相に「少年野球口利き」疑惑 “萩生田球場”と呼ばれる選挙区内の公有地

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「身の丈発言」で謝罪・撤回に追い込まれた萩生田光一文部科学相に、公有地の口利き疑惑が浮上した。舞台となっているのは、萩生田大臣の地盤である東京・八王子市にある土地。関係者の間では「萩生田球場」として知られているという。

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 元八王子市役所関係者が、次のように打ち明ける。

「野球の練習や試合が出来る設備が整ったその土地の所有者は東京都。八王子市は都から土地を借りているのですが、なぜか“市民向けグラウンド”として開放されず、特定の少年野球チームが独占的に使用する事態となっているのです」

 その少年野球チームとは、中学生140名が所属する「八王子リトルシニア」。萩生田大臣はこのチームの会長を長く務めてきていて、大臣に就任して以後は、その肩書は顧問となっている。さらに大臣の息子もリトルシニアの出身というから、大臣とチームの縁は深い。ゆえに、リトルシニアが球場を独占的に使用していることについて「背景には、萩生田大臣の存在がある、と囁かれています」(先の元市役所関係者)というのだ。

 リトルシニアのHPには〈2016年5月にオープンした本球場を備えております〉との文言があり、チームは球場を“売り”にしていることが分かる。東京都が所有し、八王子市が借りているはずの土地が、なぜリトルシニアの専用球場となっているのか。八王子市からは、

「我々が賃貸借契約を結んでいるのは、(※球場のある)鑓水(やりみず)町会長を代表とした協議会です。ですから、契約相手は町会長になります」(市教育委員会スポーツ施設管理課の担当者)

 という答えが返ってくる。ならば、と前任の鑓水町会長に聞くと、

「実際は東京都の土地で、それを市が借りて、リトルシニアに貸しているんでしょうけど、市としては『町会が間に入ってください』と。それで町会が名前を貸すというかね」

 八王子市がリトルシニアに直接貸すと「特定の団体」だけを利することになるため、鑓水町会を“かませた”というわけだ。八王子市はなぜそんな細工を行うのか。

「萩生田大臣からのオーダーを実現するために、市役所が知恵を絞っておかしな形態をとったのでしょう」(地元に詳しい政界関係者)

 であれば、行政を歪め、食い物にしたと批判されても仕方がないだろう。

 疑惑に対し、萩生田大臣は文書で「現在でも運動場の利用希望者は運営協議会に連絡をし、所定の手続きと利用料を支払えば利用できると聞いています」などと回答。リトルシニアの独占球場であることを否定するわけだが、これは「詭弁」に過ぎない。球場を利用しようにも、協議会の所在や連絡先を八王子市に聞けば、

「所在といっても会館などがあるわけではありません。法人とかでもありません。あるとすると個人の方の自宅ということになるのでお教えすることは出来ない」

 という支離滅裂な答えが返ってきたのだから――。

 12月25日発売の週刊新潮で、“萩生田球場”の疑惑を詳しく報じる。

週刊新潮 2020年1月2・9日号掲載

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