国内組主体の森保ジャパンが今日、「勝って当然」の香港戦で問われる“対応力”

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中国戦で森保監督は笑顔

 森保ジャパンは12月14日の今日、EAFF E-1選手権2019で香港と対戦する。午後7時からフジテレビ系列で生中継も行われる予定だ。そこで改めて、2−1で勝利した10日の中国戦を振り返ってみたい。

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 FW鈴木武蔵(25)[北海道コンサドーレ札幌]と、DF三浦弦太(24)[ガンバ大阪]のゴールで2−1の勝利を収めた。鈴木も三浦も代表初ゴールとなったが、立ち上がり、攻勢に出たのは中国だった。

 豊富な運動量でこぼれ球を拾い、日本に波状攻撃を仕掛ける。しかし15分過ぎにはペースダウンし、日本が徐々に盛り返した。

 そして前半29分、DF佐々木翔(30)[サンフレッチェ広島]のタテパスを、FW上田綺世(21)[鹿島アントラーズ]がヒールで流すと、これを拾ったMF森島司(22)[サンフレッチェ広島]がドリブルでペナルティエリア内に侵入しラストパス。最後はフリーになったFW鈴木が確実に中国ゴールに突き刺した。

 この日の日本は左サイドからの攻撃が機能した。DF佐々木と、シャドーストライカーのMF森島は広島のチームメイト。ここにボランチの橋本拳人(26)[FC東京]が絡み、リーグ優勝に貢献したMF遠藤渓太(22)[横浜F・マリノス]がドリブルで仕掛ける。得点シーン以外にも、日本の攻撃はほとんどが左サイドからだった。

 ところが後半は、右サイドからの攻めが活性化した。右DF畠中槙之輔(24)[横浜F・マリノス]のビルドアップから、本来は左ボランチの橋本拳人が右に流れて(MF井手口陽介(23)[ガンバ大阪]が左に回る)起点となり、右MF橋岡大樹(20)[浦和レッズ]の攻撃参加を引き出した。

 橋岡は後半25分までに右サイドを突破して3本のクロスを入れている。直接ゴールに結びつかなかったが、日本は後半25分、井手口の右CKからDF三浦弦太のヘディングで貴重な追加点を奪った。

 終了間際に相手をフリーにして1点を返されたのはいただけないが、急増メンバーとしては11月のキリンチャレンジ杯シリーズ、広島でのU-22日本対U-22コロンビア(0−2)、大阪吹田での日本対ベネズエラ(1−4)とは見違えるような、攻守に連動性のある試合だった。

 試合後の記者会見が終わったところで、移動を待つ森保一監督(51)にたまたま質問できる機会があった。そこで「前半は左サイドからの攻撃が多く、後半は右サイドからの攻撃が多かった。それは指示したのか。それとも試合展開からそうなったのか」と聞いたところ次のような答が返ってきた。

「攻めは選手たちが判断しました。ハーフタイム、選手同士、後半はもっと右から攻めようと話し合って、橋本が右にも顔を出すようになった。今日は、勝利はもちろんですが、選手たちが自分で判断してくれた“対応力”がうれしいです」

 と、満面の笑みで答えてくれた。

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