広島「中村奨成捕手」、プロ入り2年目も一軍出場ナシ、三塁コンバート案に本人は…

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中村本人は“自覚”

 守備面はどうだろうか。広島を取材するスポーツライターはこう指摘する。

「セールスポイントは強肩ですが、現時点では、一軍の捕手陣に割って入るには至難の業ではないでしょうか。レギュラーの会沢翼がFA権を行使せずに残留したほか、2番手には磯村嘉孝が台頭しています。さらに3番手には、打力がある坂倉将吾もいますし、広島の捕手陣は12球団で最も層が厚く、充実しています。出場機会を増やすには、内野にコンバートしたほうがいいと思いますね」

 若手捕手を育成するには、試合数を重ねる必要があるが、現状ではそれも難しい状況だ。前出のスポーツライターが指摘したように、入団当初には打力を生かすために三塁へのコンバート案が出ていたが、実際はどうなのだろうか。中村本人はこう話している。

「コンバートとかの話が出ているのは知っています。今は他の捕手より劣っていると思います。でも、自分が目指すのは守れて、打てて、走れる“捕手”。身体の大きさ、強さを求められて、コーチや周囲には指摘されています。適切なアドバイスを頂いていて、それに沿って少しずつですが、体重も増えている。今はそれを信じて前進するだけ。何年かかるかわからないですが、僕は広島の正捕手になりたい」

 これまでの野球人生、ずば抜けた才能で結果を残せることが多かったはずだが、プロの世界ではそう簡単にはいかない。ただ、中村本人が周囲に惑わされず、前を見据えて、練習に没頭しているのが救いである。多少、遠回りをしても球史に残るようなスケールの大きな「捕手」に育ってほしいものだ。

週刊新潮WEB取材班

2019年12月3日掲載

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