住民票の旧姓併記スタート、女性ライターが旧姓で銀行口座を開設できるか試してみた

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比較的スムーズだが利用者が少ない併記の手続き

 まず、住民票に旧姓を併記する手続きのために必要な書類は以下の2点だ。

・戸籍抄本(戸籍謄本でも問題なし)

・運転免許証などの身分証明書

 戸籍抄本は本籍地の役所に請求する必要がある。1通450円(自治体によって異なる場合がある)かかり、郵送で取り寄せる場合は、定額小為替の発行手数料100円と往復の郵便代金84円×2も必要になる。

 これらの書類を用意して、居住地の区役所を訪れ、「旧氏記載請求書」に必要事項を書き、30分ほど順番待ちをした。順番が来てから手続きに要した時間は5分程度。待ち時間を含め、旧姓が併記された住民票を発行してもらうまでの時間は約1時間だった。

 住民票発行の費用は300円。マイナンバーの通知カードの裏にも旧姓が併記された。今後、マイナンバーを取得する場合は、自動的にマイナンバーに旧姓が併記されるという。

 参考までに、新宿区役所で旧姓併記の請求をした人数を聞くと「1日10人ぐらい」だという答えが返ってきた。2019年11月現在、新宿区には日本人だけでも18万世帯以上の家族が住んでいる。そのうち旧姓で働く人が何人いるかはわからないにせよ、1日10人程度の申請というのは、まだまだ少ないといえる。旧姓併記が周知されていないことに加え、併記によるメリットを見いだせない人が多いのかもしれない。

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