阿部詩が柔道GS大会で兄・一二三も困惑するほど号泣 怪物アスリートとの共通点
妹の号泣に「タジタジ」の兄
兄妹の明暗が8月の世界選手権と逆転した。柔道のグランドスラム大阪大会の初日が11月22日、大阪市中央体育館(港区)で開かれ、注目の阿部詩(19・日本体育大学)が決勝で世界ランク1位のA・ブシャール(フランス)に敗れたのだ。この大会で優勝すれば五輪代表内定だったがお預けになった。
互いに決め手がないまま延長3分40秒、ブシャールが得意とする低い姿勢からの肩車で担ぎ上げられた阿部は懸命にこらえたが、耐えきれずに転がされて背中を畳に付けられた。ブシャールが、阿部詩を相当研究していたことがうかがえた。阿部が内股跳ね上げても体を巧みに反転させ、背中から落ちない。組み際には技をかけられるため十分に組めず、阿部は得意の袖釣り込み腰に入る好機も少なかった。
敗れた瞬間、茫然と審判を見ていた阿部詩は膝に手を着いたまましばらく上体を起こせない。畳から降りて歩く間も「うわあー」と声を上げて激しく泣き続けた。
一方、兄の一二三(22 日本体育大学)は五輪代表へはカド番だったがこの日は気迫の柔道で、三連敗中だったライバルの丸山城志郎(26 ミキハウス)を下し、五輪代表へ復活の狼煙を上げていた。「いい具合にバトンタッチした」と思った妹がついに破れ、一二三は敗北した妹を出迎えたが、さすがの兄もあたり構わず大声で泣く妹をどう慰めていいかわからない「タジタジ」の様子だった。
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