映画「犬鳴村」で三吉彩花は呪われないか 実在する“旧犬鳴トンネル”はこんなに怖い

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大関が霊に取りつかれた

「私の妻が、犬鳴峠近くの宗像市出身なのですが、彼女の友人が、この事件が起こった後、犬鳴峠で火だるま姿の幽霊を目撃しています。まさにもだえ苦しんでいたそうです。地元の人も、くねくねと動く火だるま姿の幽霊を目撃しています」

 と語るのは、作家・オカルト研究家の山口敏太郎氏。

「犬鳴峠は、90年代から心霊スポットとして全国的に知られるようになりました。当時は廃墟ブームで、廃村、廃線巡りをする人がいました。その影響もあって、犬鳴村の都市伝説ができあがったのでしょう」

 実際、旧犬鳴トンネルで、霊に取りつかれた有名人がいるという。

「名前は伏せますが、外国人の元大関です。心霊スポットが好きで、大相撲を引退する直前、真言宗のお寺のお坊さんに旧犬鳴トンネルに連れて行ってもらったそうです。彼はお供えとしてリンゴを置いてきたのですが、宿に帰ると、急に体調が悪くなった。東京に帰っても回復しないので、また福岡に戻ってお祓いをしてもらったところ、すぐに治ったそうです」(同)

 さらに、犬鳴峠へ幽霊を見に行った帰りに、事故を起こしたケースもある。1992年6月28日、北九州市八幡西区の県道で、少年10人が乗ったワゴン車が、道路左側のコンクリート製の電柱に激突、運転していた少年は頭を強く打って意識不明の重体、助手席の少年も両足骨折の大けがをした。

 死亡事故も起こっている。

 2001年2月10日、福岡県二丈町の国道202号バイパスで、少年5人が乗った軽乗用車が中央線を越え、トラックと正面衝突。軽乗用車は大破し、5人のうち4人の少年が死亡し、1人は頭を強く打って重傷。彼らは、「犬鳴峠へ幽霊を見に行く」と言って出かけたという。

 旧犬鳴トンネルは、90年代になって、トンネルの入り口はコンクリートブロックで塞がれた。

 先の山口氏によれば、

「88年の事件の後、お坊さんが何人か、お祓いに来ています。心霊スポットと言われる場所には、霊が100体から200体いると言われています。旧犬鳴トンネルにいた古くからの霊は、もう浄化されているはずです。ただ気になるのは、トンネルが塞がれていることですね。空気が滞ったところには、新たな霊が留まりやすいですからね」

 来年公開の東映の映画「犬鳴村」について、地元では、「映画なんかにして祟られないか」と危惧する声もあがったが、

「今年の夏頃、東映さんから連絡があって、犬鳴村の映画を作ると言うので、協力を求められました」

 と解説するのは、宮若市の担当者。

「これまで、犬鳴峠を心霊スポットとして取り上げる取材については、市は一切関与してきませんでした。ただ、今回の映画化では、市のPRにもなるということで、東映さんと連携することになりました。まだ、具体的には決まっていませんが、大手旅行代理店と一緒にツアーを計画、イベントも行って、地元の特産品なども販売する予定です。旧犬鳴トンネルがある旧道は閉鎖されていますから、これをどうツアーに取り組むか検討中です。おどろおどろしい心霊スポットではなくて、あくまでエンターテインメントとして売り込もうと思っています」

 改めて、宮若市に聞くと、犬鳴村という地名は存在しないという。村ではなく、大字犬鳴という地名はあったそうだ。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月22日掲載

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