台風19号、犠牲者の実名公表の意義 責任を押し付け合う「国」と「自治体」

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「台風19号」実名を公表されなかった犠牲者の人生(2/2)

 日本各地を襲った台風19号は、92人の命を奪った。岩手、宮城、栃木、長野の4県以外の被災自治体は「プライバシーの尊重」を理由に犠牲者の実名を明かしておらず、62人が“匿名”のままだ。福島県も非公表を貫くが、南相馬市の職員・大内涼平さん(25)の遺族は、「(取材に応じ)名前が報じられたお蔭で息子の友人からも励ましの連絡をもらいました」(父の敏正さん)と語る。

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 涼平さんの父親のように、実名報道を肯定的に捉える遺族は他にもいる。...

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