東大、東北大、早大…5年制「高等専門学校」はなぜ難関大学の編入に強いのか

ライフ 2019年11月16日掲載

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なぜ就職に強い?

 就職にも大学編入にも強い。夢のような話だが、高専の実状はそうなのである。まず、就職になぜ強いかというと、大卒並みの知識や技術があるのに、卒業時点で20歳と若いから。いつの時代も企業側が能力のある若手を望んでいるのは説明するまでもない。

 茨城高専のホームページにはこうある。

「就職先の企業からは、毎年その実力が認められ、大学卒と同様の扱いを受けています。昨年の求人数は4645名、倍率は就職希望者の約66倍で、就職率はほぼ100%となっています。」(茨城高専HPより)

 茨城高専の2019年卒業生の就職先を見ると、名誉フェローの吉野彰氏(71)がノーベル化学賞を得た旭化成、出光興産、NTT東日本、キヤノン、東京ガス、東レなど著名企業がズラリ。

 進学先は前述の東大、東北大、九州大に1人ずつ編入したほか、以下の通りだ。

●筑波大2
●電気通信大2
●東京農工大4
●茨城大9
●新潟大4
●広島大2
●岡山大2
●長岡技術科学大16
●豊橋技術科学大学10
●金沢大、秋田大、福島大、群馬大各1・・・など。

 茨城高専の2019年卒業生は102人が就職し、97人が進学。そのうち、28人は併設されている2年制の専攻科に進んだ。これを終えると、大学に編入しなくても学士になれる。大学の学部卒業生と同じ扱いとなり、大学院に進学できる。実際、2019年の茨城高専専攻科卒業生は東大大学院や筑波大学院などに進んだ。

 一方、偏差値が茨城高専とほぼ同レベルの偏差値(65)でスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校でもある茨城県立緑岡高の場合、2019年卒業生には東大合格者も京大合格者もいない。

 ほかの大学の合格者はというと、北海道大2、筑波大8、千葉大4、横浜国大3、首都大学東京3、東京学芸大2・・・。圧倒的に多いのは地元・茨城大の59。難関大に入りたいのなら、茨城高専のほうが有利だろう。

 ほかの都道府県の状況もほぼ同じ。同レベルの偏差値なら、高校より高専のほうが難関大への近道と言える。

 群馬高専の2019年卒業生(進学者130人、就職者62人、そのほか3人)の主な編入先は以下の通り。

●東大1
●東工大4
●東北大3
●筑波大5
●東京農工大2
●群馬大9
●山梨大9
●信州大7
●新潟大4
●金沢大2
●長岡技術科学大20
●豊橋技術科学大4
●お茶の水女子大、首都大学東京、早大各1
●群馬高専専攻科38

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