ソフトバンク「補欠」福田秀平がFAで年俸1億円乗せのワケ

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 FA争奪戦の火蓋が切られた。FAというと、昨年広島から巨人に25億円で移籍した丸佳浩(30)のように、球界を代表する有名選手が巨額の契約を交わすイメージだが、今年注目のFA選手はちと違う。

 ソフトバンク(以下SB)の福田秀平(30)――と聞いてもSBファンでなければピンと来ないだろう。それもそのはず、

「柳田ら強者がひしめくSB外野陣の4~5番手、つまり補欠ですからね」

 と大手紙デスクが語る。

 2006年高校生ドラフトで1位指名された福田は、これまでレギュラーに定着したことはない。今季の推定年俸も3600万円に止まっている。

 そんな選手がなぜ注目されているのか。

「FA選手は、チーム内の年俸によってA~Cにランク分けされていますが、Cランク選手の場合、獲得球団は相手側に人的補償をしなくてもいいんです。さらに、“FA獲得は年間2人まで”という縛りがありますが、これにもカウントされない。ですから、実は例年、各球団ともCランク選手に熱い視線を送っています。下手なA、Bランクより好条件になることもありますよ」

 今オフは大型FA契約がなさそうなので、Cランクにもメディアが注目。福田はもちろんCランク。しかも今年のCランクは彼しかいないため、余計に耳目が集まっているわけ。

「層の厚いSBの補欠は、他チームでは十分レギュラークラス。年俸が低いので貧乏球団が参戦でき、人的補償がないから金満球団も参入してくる。競りになり、年俸は軽く1億円を超えそう。貧乏球団も、契約年数や“出場機会保証”などの条件を武器に戦います」

 西武やロッテ、中日、ヤクルトに加え、古巣のSBが名乗りを上げている。

「福田は、日本シリーズ第2戦で途中出場しホームランを放ちましたよね。FAを意識して発奮したのかも」

 人生の“逆転ホームラン”なるか。

週刊新潮 2019年11月14日号掲載

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