即位のパレードで使われる8000万円「センチュリー」を羨望の眼差しで見る人々の正体

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役員よりいいクルマで来るな

 みなさん、中古車である。古い年式のモノでも基本的には丈夫だという。

「前の所有者は、財務省だったり、都庁、大会社のモノだったりしますよ。数年前には宮内庁の出物もありましたね。もちろんセンチュリーロイヤルは出ません。最近は個人情報とかで、前の所有者が分からなくなってしまいましたけどね。古くても、同じ年式のベンツよりも丈夫です。やっぱりメイド・イン・ジャパンの最高峰ですよ。でも、さすがにシリンダーヘッドからオイルがにじんだり、サスペンションがへたったりすることはあります。問題はそういうときで、ディーラーが引き取ってくれないんです。トヨタが威信をかけて手造りしたクルマでしょ、『うちでは預かれない。触ったことがないので責任取れない』と。だからこうしたオフ会で情報交換をするわけですよ。それと“反社”の人と勘違いされて、修理に身分証明が必要になることもありますね……今時、あの人たちだって、こんなクルマ乗らないと思うんですけど」(同)

 普段はどんな乗り方をするのだろうか。

「センチュリーでダイエーに買い物に行くという主婦もいますし、後部座席は妻専用という人もいる。オーナーは自営業だったり会社員だったりしますが、会社員の人は『ウチの役員よりもいいクルマで来るんじゃない!』と怒られることもあるそうです。もっとも燃費はリッター5キロ程度ですから、普段使いは軽トラという人もいます。センチュリーは磨き専用で、オフ会だけなんて人もいますね。また、覆面パトの同好会というのもあって、そこから『警備させてくれないか』という申し入れで車列を組んでコラボしたこともあります。我々をヘンタイって言いたいんでしょ? まあ、デカいコスプレですよね」(同)

3代目の評価は?

 人それぞれ、クルマもそれぞれ、いろいろな楽しみ方があるものだ。ところで3代目センチュリーに興味はないのだろうか。

「それも人によりますね、V12でないと認めないという人もいれば、うらやましいと思う人も。試乗した人に聞くと、速いそうですよ、やっぱりハイブリッドは違うと。でもね、2000万円でしょ、買えませんよ。当分先ですね」(同)

 日本の最高級車センチュリー。やはり、今回のパレードにピッタリの車である。

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 デイリー新潮(18年7月14日配信)の記事と、新たなインタビューを交えて再構成しています。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月10日掲載

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