パワハラ助長の恐れ大! 厚労省発表「実例集」があまりにもズレている
パワハラと聞き、あなたは何を思い浮かべるだろう。サラリーマンのみならず、アスリートの世界でも告発が相次ぐが、有り様は千差万別である。そんな折、厚労省が初の「実例集」を出して波紋が広がっている。民の暮らしを知らぬお上が基準を作れば、聞こえてくるのは溜め息ばかりで……。
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働き方改革の一環で、来年春に施行されるのが改正労働施策総合推進法、いわゆる「パワハラ防止法」だ。企業に対し防止策を講ずることを求め、違反すれば企業名が公表されるという。
これを受け、10月21日に厚労省は労働政策審議会の分科会で、パワハラ防止の指針の素案を発表した。国として初めて具体例を掲げたが、方々から異論が続出。中でも発表当日に緊急声明を出したのが、「労働トラブルホットライン」を運営する弁護士らの全国組織「日本労働弁護団」だ。
厚労省がまとめた案は、〈かえってパワハラを助長しかねないものであり、「使用者の弁解カタログ」となるような指針などない方がましである〉として、抜本的な修正を強く求めているが、いったい何故なのか。
「指針ではパワハラについて、具体的に六つの行為の類型が示されましたが、該当例のみならず、当てはまらない例を出したことが大いに問題だと思います」
と懸念を口にするのは、日本労働弁護団で幹事長を務める棗(なつめ)一郎弁護士だ。
「例えば、〈暴行・傷害〉という類型の欄では、〈誤ってぶつかる、物をぶつけてしまう等により怪我をさせること〉は該当しないとある。こう書かれたら、故意の暴行をした側に言い逃れの余地を与えてしまいます」
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