五輪マラソン札幌移転 背後に「橋本聖子」違法献金グループの“北海道カジノ”利権

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 小池百合子東京都知事の抵抗むなしく、東京五輪マラソン・競歩の札幌開催が正式決定された。内閣改造によって、橋本聖子氏が五輪担当相に就任したのは今年9月。それから1カ月余りの後に札幌移転が突如浮上、しかも橋本氏は北海道出身……というのは、決して偶然ではない。

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 マラソン・競歩を札幌で行う代わりに、鈴木直道・北海道知事にカジノ誘致を了承させる――。週刊新潮では2週にわたり、「札幌開催案」の背景にあるそんな構図を詳報してきた。現在、日本国内で最大3カ所のカジノ開設地が決められる予定だが、鈴木知事は世論の反対などを理由に、いまだ誘致表明を行っていない。そんな鈴木知事の背中を押す材料として、東京五輪のマラソン・競歩は使われたのである。

 北海道における統合型リゾート施設(IR)の“重要プレイヤー”に「社台グループ」という企業グループがある。競走馬の産出・育成事業で圧倒的な実績を誇り、あのディープインパクトを生み出した「ノーザンファーム」もグループの稼ぎ頭だ。

 この競走馬界の「巨人」と、橋本五輪相との関係が明るみに出たのは、2016年。橋本氏が代表を務める自民党支部が、グループ企業の「社台コーポレーション」から寄付を受けたことだった。同社は、農林水産省からの交付金決定を受けた法人であったため、この寄付は政治資金規正法に引っかかることに。ほかの会社からも同じく寄付があり、

「つまり“違法献金”ということ。橋本さんは慌てて両社に寄付金を返還しました」(政治部記者)

 もっとも、橋本氏には社台グループの別会社からの寄付もあり、また、グループ企業の代表などから個人での寄付も行われていた。グループと橋本大臣の関係は、脈々と続いていることになる。

 社台グループとカジノは、いかなる形で関わるのか。北海道新聞は10月2日、〈IR用地「ノーザン」提供 誘致時 苫小牧市に約100ヘクタール〉という見出しの記事を掲載。苫小牧にカジノが誘致された暁には、社台グループの企業「ノーザンレーシング」が、土地を市に無償譲渡するという内容である。

 苫小牧市の関係者は“カジノが出来れば、大きなメリットが社台グループにはある”と語る。それは先述した、競走馬ビジネスと関わってくるもので、

「馬を購入する馬主は日本だけではなく、全世界にいます。しかし現状では、そういう人たちが苫小牧に来たとしても泊まれるところがない」(同)

 それを解消するのがカジノだ。カジノが出来れば高級ホテルも建ち、さらに新千歳空港にプライベートジェットが発着できるよう整備されれば、世界中の富豪たちが苫小牧に足を運びやすくなる。

「富豪たちは実物を見て馬を買うことが出来ますから、今とは比べ物にならないほどのお金がノーザンに落ちるようになるでしょう」(同)

 東京五輪をも巻き込む、巨大カジノ利権。11月7日発売の週刊新潮で詳しく報じる。

週刊新潮 2019年11月14日号掲載

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