サークルKのドメインは6千万円! 「中古ドメイン」が悪用されるリスクを解説

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 今年6月、サークルK・サンクスが使っていたドメイン「circleksunkus.jp」が、ドメイン登録サービス「お名前.com」のオークションにかけられ、約6千万円で落札された。そもそもドメインは数千円で取得できるものだが、有名企業が使用していた中古ドメインは高値で売買されているという。その裏では、ドメインが悪用されてしまう事態も起きていて……。

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 ドメインとは、一言で言えばインターネット上の住所である。サイトの「www.」やメールアドレスの「@」の右側の文字列を指し、登録は早い者勝ちだ。ただし一度ドメインを取得しても、更新しなければ権利は失効してしまい、第三者が再び同じ文字列のドメインを入手できる。

 たとえば、新潮建設(仮名)という会社が「shincho-kensetsu.com」のドメインを持っていたとして、それが奥田証券(仮名)という第三者に渡ったとする。もしドメインが譲渡されたことを知らない人が「https://www.shincho-kensetsu.com」にアクセスした場合、飛んだ先に新潮建設のホームページはすでに存在せず、奥田証券が運営するサービスサイトなどに飛んでしまうというカラクリだ。

 有名企業や公的機関が使っていたドメインの人気は高く、高値で売買されている。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、中古ドメインの売買が過熱する背景をこう説明する。

「中古ドメインが人気なのは、検索の上位に表示されるからです。Googleの検索の仕組みは日々見直されているので、一概には言えませんが、実績のある中古ドメインは、外部サイトからリンクされている数が多いので信用度が高い。またドメイン自体もスコアリング(採点)されているようです。日本レジストリサービス(JPRS)が管理する末尾「.jp」や米ベリサイン社の「.com」は、管理がしっかりされているため、検索で有利に働くのです」

 検索の上位に表示されれば、サイトのアクセス数が伸びて広告収入を得られる。そのため、ドメインとはまったく関係のないサイトを運営していても、有名企業や公的機関の使っていた中古ドメインを手に入れたいと考える人が多いというわけだ。

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