五輪マラソン札幌案の裏にカジノ誘致 小池知事が知らない菅官房長官の思惑

社会 週刊新潮 2019年10月31日号掲載

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 今さらなぜ――。東京五輪のマラソンと競歩の会場を札幌に移す計画がある、と発表した国際オリンピック委員会。その報に触れて驚かれた方は多かっただろうが、新聞・テレビでは「背景」が全く見えない。実はそこには、「カジノ誘致」が関係していたのである。

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 札幌への会場変更が急浮上した直接のきっかけは、9月27日から10月6日までカタールのドーハで行われた陸上の世界選手権である。暑さ対策で深夜に競技を行ったものの、例えば、女子マラソンでは出場した68選手中、28人が棄権するなど、前代未聞の事態となった。ちなみに、この過酷な環境の中、優勝を果たしたのが男子50キロ競歩の鈴木雄介選手である。

「東京オリンピックでもドーハのようにバタバタと選手が倒れ、熱中症患者まで出る事態となればオリンピックブランドはこれ以上ないダメージを受けることになる。それを避けたいという狙いがあり、“札幌案”が浮上したのでしょう」

 そう話すのは、スポーツジャーナリストの二宮清純氏である。

「選手や沿道で応援する人のことを考えれば、私は札幌開催でやむなしと思います。ただ、日本が主導権をもって決断したのではなく、IOCの外圧に屈する形になりそうなことが残念でなりません」

 スポーツライターの小林信也氏も同意見で、

「今回の件は小池さんに少し気の毒ではありますが、マラソン・競歩の札幌開催には大いに賛成です。死者が出る前にこういう話が出てきて良かったです」

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