ファンの期待を裏切った「コスパが悪い選手」は誰だ!【パ・リーグ編】

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 プロ野球の世界では、年俸と成績が見合わない「コストパフォーマンスが悪い選手」は、各チームに少なからず存在する。今季、球団やファンの期待を大きく裏切ってしまった選手は誰だろうか。今回はパ・リーグ編だ。

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 今季のパ・リーグは、規定投球回数到達者がリーグ全体で6人のみと、各チームでエース格の投手の不振が目立った。その筆頭格が楽天の岸孝之(今季推定年俸3億円)。開幕投手を務めた今季は、初戦に左太腿の違和感で緊急降板して戦線離脱。その後も二度の登録抹消があり、15試合で3勝5敗、防御率3.56と自己ワーストの成績に終わった。

 ロッテの涌井秀章(2億円)は、5月8日に3勝目を挙げて以降は未勝利で、先発登板11戦連続で白星なしを記録。18試合で3勝7敗、防御率4.50と振るわなかった。その他でも、昨季最多勝の西武・多和田真三郎(8000万円)が12試合で1勝6敗、防御率5.83、ソフトバンク・東浜巨(8500万円)7試合で2勝2敗、防御率6.37。今季からFA補償選手として西武に移籍した内海哲也(1億円)に至っては一軍登板ゼロと、2019年のパ・リーグは先発投手受難のシーズンだった。

 リリーフでは、オリックス・増井浩俊(3億円)のコスパの悪さが際立つ。クローザーとして53試合登板も、1勝4敗18セーブで防御率は4.83。17年は27セーブ、昨季は35セーブを記録しているが、今季は二度の登録抹消を余儀無くされるなど、長年の蓄積疲労が顕著となった1年だった。

 17年に中継ぎで5年連続60試合以上登板を記録し、年俸1億円を超えた楽天・福山博之(8000万円)は、昨季21試合と登板数が激減し、年俸ダウンで迎えた今季は一軍登板が7試合のみ。0勝0敗1ホールド、防御率5.19でオフには戦力外通告からの育成契約の打診を受けた。7月に右ひじと右肩のクリーニング手術を受け、復帰は来春の見込みとなっているが、蓄積疲労による不振はリリーフ投手の宿命となっている。

 捕手は楽天の嶋基宏(1億円)。今季は腰を痛めた時期もあり、57試合出場は自己ワースト。打率.209、3本塁打、15打点と打撃面だけでなく、盗塁阻止率.070と守備でも低迷した。オフに減額制限を超える年俸ダウン提示を示唆された嶋は、自ら自由契約を申し入れ、他球団への移籍が濃厚となっている。

 内野手は、年俸ランキングでリーグ2位タイのソフトバンク・内川聖一(4億円)を挙げるべきだろう。今季は137試合に出場し、3年ぶりの規定打席到達を果たしたが、打率.256、12本塁打、41打点という数字は、コストパフォーマンスという意味では、とても元が取れるとは言い難い。

 ソフトバンクでは遊撃手の今宮健太(2億6000万円)も106試合出場で打率.256、14本塁打、41打点と、年俸を考えると微妙な成績に終わっている。今季は昨年痛めた左脚の状態に不安を残し、6月中旬から約1カ月間の戦線離脱を余儀なくされるなど、不本意なシーズンに終わった。その今宮と二遊間コンビを組む明石健志(1億円)は99試合出場で打率.248、5本塁打、21打点だが、いまや年俸1億円は“準レギュラークラス”選手の金額になってしまったのかもしれない。

 オリックスの安達了一(9000万円)は、18年までの地道な活躍でリーグの内野手では屈指の高年俸を勝ち取ったが、今季は56試合出場(打率.277、2本塁打、20打点)と失速した。もともと潰瘍性大腸炎の持病があったが、今季は三度の登録抹消と体調不良が顕著で、開幕直後とシーズン終盤の大事な時期での戦線離脱は、最下位に終わったチームにとって大きな痛手となった。

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