尾木ママが目撃した教員間いじめ 「学校は閉鎖的なムラ社会、だからいじめが起きやすい」

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 目下ベストセラーとなっている『こども六法』は、大人でも難解な法律をイラストつきで、誰でも楽しんで読めるように書き直したものだ。「自分が過去に受けたいじめは犯罪だった」と著者が気付いたことが出版のきっかけだったという。当然、「いじめ防止対策推進法」についても結構なページを割いて触れている。

 その中には、〈先生たちはチームでいじめに対応するよ〉という項目があり、クマやシカ、ニワトリらが扮した“先生”が「必ず助け出しましょう!」と気持ちを込めている。

 今回の一件は、ここから“に対応す”の文字がすっかり抜け落ちて、〈先生たちはチームでいじめるよ〉となってしまった悪夢のような事件である。

〈目に激辛の汁〉(産経新聞朝刊・10月5日)

〈羽交い締めで激辛カレー〉(毎日新聞朝刊・10月5日)

 あたかもプロレスのヒール役が犯しそうな反則技に見えてならない。もっとも、カッコ内にあるように、これは全国紙朝刊を飾った歴とした見出しである。更に、「反則技の使い手が教員なら、その相手も教員だったという事実」を報じるものであることに驚きを禁じ得ない。

 第一報は10月4日、

〈神戸・東須磨小 教員4人が同僚いじめ 20代男性に昨年から 市教委 処分検討〉(神戸新聞)

 と見出しにある記事で、その後に続くニュースも含めると、コトの次第は以下のようなものであった。

▼2018年から今年にかけ、神戸市立東須磨小の教員4人が、20代男性教員への暴力や暴言、セクハラの強要、パワハラを行ってきた

▼具体的には……被害者のクルマの上に載ったりクルマを蹴り、車中でモノをこぼす、スマホにいたずらしてロックする、コピー用紙の芯でお尻を殴る、目や唇に激辛ラーメンの汁を塗る、羽交い締めにして「18禁カレー」という激辛カレーを無理やり食べさせる、ハゲ・ボケ・カスなどと呼びかける、LINEを使って女性教員へ性的なメッセージの送信を強要した

▼20代男性教員は精神的に不安定な状態になり、9月から休職中

▼加害教員は30代男が3人、40代女が1人で、当小学校でリーダー格の40代女がいじめもリード。男3人は女に気に入られたい気持ちがあり、いじめに拍車がかかった

▼いじめの模様を「面白かった」と児童に伝えることもあった

▼彼らのいじめは他の教員3人にも及び、ポンコツを意味する「ポンちゃん」と呼ばれたり、女性教員がセクハラ行為を受けている

 東須磨小の教員数は30人強で、4人が被害者、4人が加害者。そのうち加害者4人と被害者1人が学校を休む異常事態に陥っている。

 おしなべていじめというものは放置され、その間にエスカレートするものだが、今回、見過ごされた経緯はどういうものだったか。

 学校側が問題を把握したのは今年6月。その後に、具体的なハラスメント行為の訴えがあったものの、加害者側を十分に説諭した形跡は見られない。神戸市教育委員会にもその中身は知らされず、「教員間でトラブルがあった」旨の報告に留まった。

 また市教委は、中には暴力的なことが行われていると見ていた教員もいたのだが、見て見ぬフリをしていたことも匂わせている。何のことはない、〈先生たちはチームでいじめに対応する〉ことができなかったのだ。

 事実、教員の経験がある教育評論家の尾木直樹氏も、

「明らかに人権を脅かすような事態になっているのに、一部の教師がボスのように牛耳ってしまって、協働体制が作られていません。身内で起きているいじめについて自ら注意したり、校長や教育委員会などに進言もできないような人たちが、果たして子どもたちのいじめを止めることができるのでしょうか。あるいは、同僚の身に起きていたことをいじめと捉えることができていなかったのだとしたら、それは感性がマヒしているのであって、なおのこと子ども同士のいじめに対処出来ないのではないかと思います」

 と指摘する。

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