「夏ドラマ」採点 辛口コラムニストが最終回まで面白く見た2作品

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 春ドラマに比べて、ヒット作が多かったような夏ドラマ。だが、コラムニストの林操氏に言わせると、「まだまだまだ……」のようだ。その理由とは? ならばどのドラマがよかったのか?

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 今でも映画は最初から最後まで観ないと気が済まないタチ。だから、TVのドラマを全篇全話チェックすることなしに、イイのワルイのと騒ぐことには、実は気が引けてました、昔は。でも今は、開き直ってます、完全に。

 買い物で街を歩いてるときだって、外から眺めただけでココには欲しいモノ、気に入るモノは絶対に置いてないという、「絶対ない感」が働く店ってありますよね。アレと同じで、ドラマにだって1話目を見れば、いや、その冒頭10分だけ見れば、いやいや、番宣動画だけ見れば、いやいやいや、制作発表の資料だけ見れば、「絶対ない感」が湧き出してくる作品というのが確実にあって、しかもその数は、増えることはあれ、減ることはない。

 ようやく終わるレーワ元年7~9月クールも例外ではありません。各ドラマ放送開始前の7月第1週の時点で、「絶対ない感」フツフツだったのは、

★「TWO WEEKS」[フジ系(関西テレビ制作)・火曜・21時~]
★「Heaven?~ご苦楽レストラン~」[TBS系・火曜・22時~]
★「サイン―法医学者 柚木貴志の事件―」[テレ朝系・木曜・21時~]
★「科捜研の女 SEASON 19」[テレ朝系・木曜・20時~/4月から1年間放送]
★「ルパンの娘」[フジ系・木曜・22時~]
★「ノーサイド・ゲーム」[TBS系・日曜・21時~]
……の6本。

 現在ただいま民放・地上波・プライムタイム(19~23時)の連ドラは1週間に14本あって、そのうちの6本に、初回を見る前から「絶対ない感」という打率(駄率)の高さは、ちょっと久々でした。

 ぞれぞれの「絶対ない感」のが降ってきた後で、理由はすぐに思いつくんだけれど、それについては後回し。続いて列挙するのは、第1話を見た後で、あるいは見てる間に、「絶対ない感」が作動したドラマです。昭和の野球中継用語を借りて言うなら、「始まった瞬間それとわかる駄作」。

★「偽装不倫」[日テレ系・水曜・22時~]
★「刑事7人 シーズン5」[テレ朝系・水曜・21時~]
★「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~SEASON 4」[テレ東系・金曜・20時~]

 ここまでで、初回前から「絶対ない感」横溢の分と合わせて9本。つまり今シーズン、期待できそうなドラマは7月中旬ころには5本にまで減っていたわけで、その中からさらに2話以降で興味が失われたのが、

★「監察医 朝顔」[フジ系・月曜・21時~]
★「リーガル・ハート~いのちの再建弁護士~」[テレ東系・月曜・22時~]
★「ボイス 110緊急司令室」[日テレ系・土曜・22時~]
……という3本。結局のところ、最終回まで面白く観られた連ドラは、今シーズン、2本だけでした。

 その2本も、やっぱり後で紹介することにして、まずは7~9月期の14本中、ワタシが個人的に最終回までモたなかった12本について、「絶対ない感」が湧いてきたワケから簡単にお話しさせてください。

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